ネットを使う高校生の半数近くは「ネット上の情報の正しさを確認する方法が分からない」という衝撃
インターネットを用いることで、普段の暮らしと比べはるかに多くの情報を取得可能となる。しかしその情報がすべて正しいわけではない。情報の精査能力が受け手側に求められるが、果たして子供達は情報の精査の仕方をはじめとした、インターネットを利用する際には欠かせない「決まり事」を習得しているのだろうか。2014年12月にベネッセ教育総合研究所が発表した調査報告書「中高生のICT利用実態調査 2014 報告書」から、その現状を確認していく。
今件調査の調査対象母集団では中学生が87.3%、高校生は96.6%がインターネットを利用している。それらインターネット利用者に、インターネット上の情報を用いる際の注意点や、取扱いそのものに関する問題点などについて、回答者自身の状況を「とても当てはまる」「まあ当てはまる」「あまり当てはまらない」「まったく当てはまらない」の4拓から選んでもらい、「とても当てはまる」「まあ当てはまる」の2つ、つまり設問の状況に該当する状態にある人の割合を示したのが次のグラフ。
「インターネットで調べた情報は、いつ誰が出したものか確認している」。その情報が正しいか否かを確認するためには欠かせない下準備。実施している中学生は1/4程度、高校生でも3割足らずでしかない。残りの3/4から7割ほどは、取得した情報について発信元をあまり確かめずに用いたり、他人に流していることになる。
またインターネットで取得した情報を、作文やレポートにそのまま使うことがある人は中学生で3割ほど、高校生では4割近く。いわゆる「コピペ」だが、もちろん正しい行為ではない(そもそも作文やレポートにコピーの類は求めていない)。その情報が最初の項目とも組み合わさり、ニセ情報ならば目も当てられないし、本当の話だとしても単なる盗用のため、引用レベルでなければ怒られてしまう。ましてや創作文や感想文をコピーしたら、他人の作文を丸写ししたのと同じとなってしまうのだが。
そして一番驚かされるのが「インターネット上の情報について、正しさを確認する方法が分からない」。中学生で4割前後、高校生では5割近くが同意を示している。学校のパソコンなどの授業である程度は教えられているはずだが、情報精査の方法が分からないのでは、得た情報が正しいか否かが判断できずまどわされたり、ニセ情報に踊らされたり、さらには実害を被ることもありえる。
もっともこれらの要件は、大人でも十分な対応を示しているとは限らない。並行同時調査が成されていないので比較は出来ないが、インターネット情報の裏取りをしない、情報のコピペ流用を平気で行う、そして精査方法が分からない人は、大人も多分にいる。
インターネット情報の利用方法においては、子供だけの問題では無く、大人も一緒になり、真剣に取り組むべき課題なのだろう。
■関連記事: