出す人も 出す枚数も 減りにけり…いまどきのハガキの年賀状事情
そろそろ年賀状を書き終えて投函開始日を待つだけの人も居るであろう昨今だが、インターネット、特にソーシャルメディアの普及で、ハガキの年賀状を出す人が漸減しているとの話も見聞きする。その実情はいかなるものなのだろうか。ライフメディアのリサーチバンクが毎年この時期に調査を実施・結果発表をしている、年賀状に関する調査結果から確認していく。
今調査の最新版は2014年11月14日から19日に渡りインターネット経由で10代~60代の全国男女に対して行われたもので、有効回答数は1200件。男女比・10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。過去の調査もほぼ同時期に、同様の調査で実施されている。
次に示すのは、回答時点でその翌年向けのハガキの年賀状を出すか否かに関する設問の結果。「出す予定」「届いたら出す」「喪中のため出さない」「出さない」の4選択肢が用意されており、その選択肢から1つを選ぶことになっている。そのうち「出さない」「届いたら出す」の回答率推移を示したのが次のグラフ。「喪中」はともあれ、この2選択肢が増えれば増えるほど、ハガキの年賀状を出す人は減ったことになる。
「届いたら出す」は2011年から選択肢に加わっているが、双方とも漸増する傾向にある。確かな意志でハガキの年賀状を出す人が減り、出さない人、原則出さないが他人から届いたら返答の意味で出す消極的な人が増えていることが分かる。また「届いたら出す」よりも「出さない」人の方が多く、上昇率も大きいことから、ハガキの年賀状を出すことは敬遠される傾向が強くなっているようだ。
性別・世代別に仕切り分けすると次の通りとなる。
10代は学校での付き合いから出す人が居るため、「出さない」の割合は低くなる。もっとも高いのは20代で、それ以降歳を経るに連れて低くなる(=出す人が増える)。経年変化ではここ2、3年において男女とも若年層、特に10代から20代で年賀状(はがき)離れが進んでいる。
ある意味もっとも合理的で確かな「届いたら出す」は、男女とも10代・20代に多い。女性はきれいな形で漸増しているが、男性は中堅層以降こそ少しずつ増えているものの、若年層は横ばい、さらには減る傾向すら見られる。これはその分「出さない」人が増えているため。男性若年層は「届いたら出す」の消極的な出す人までもが「出さない」人にシフトしていることになる。女性若年層が「届いたら出す」と「出さない」人の双方が漸増しているのとは対照的だ。
ちなみにハガキの年賀状を出す人においても、その枚数は漸減する傾向にある。年賀状を出す人に限定してその枚数を尋ねた設問における概算値では、5年間で1割近い減少が見られる。
電子メール様式の年賀状にシフトした人が増えているのも一因だが、ハガキの年賀状は出す人も減り、出す人の枚数も減っている。陳腐な表現だが「ハガキの年賀状離れ」が起きていることはほぼ間違いなさそうではある。
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