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高校生の自分専用タブレット機保有率は1割近く

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 読書感覚でタブレット機を室内で使う事例も

数年前まではタブレット機といえばiPadがイメージされ、「機動力が高めのノートパソコンとスマートフォンの中間位に位置する端末」「価格は高めでハイソなデジタルアイテム」という印象が強かった。しかしこの一、二年の間に、低価格なAndroidタブレットが次々と展開し、さらにはアマゾンのKindle端末の登場により、一挙にタブレット機は普及の兆しを見せ始める。その波は高校生にも押し寄せている。

次に示すのは通信添削事業などを展開するZ会が2013年9月に発表した、同年4月から7月にかけてインターネットあるいは調査票を利用した方式によって、全国の高校生を対象に行った調査の結果によるもの。調査票での回答も選択肢にあるため、デジタル経由のみの調査で生じる「回答手法による偏り」は考慮しなくて良い。

それによると高校生において、自分専用のタブレット機所有率は約9%。10人に1人位は「自分だけのタブレット機」を有していることになる。クラス構成人数が30人なら約3人という次第。

↑ タブレット機所有状況
↑ タブレット機所有状況

学年で多少の違いがあるが、これは誤差の範囲だろう。同調査ではパソコン(デスクトップ・ノート双方を含む)の所有状況も尋ねているが、こちらは高校生本人の専用機としての所有は1割強であることから(高一は11.8%、高二17.1%、高三18.8%)、かなり近い割合まで近づいていることが分かる。

気になるのは自分専用以外の、保護者専用・家族共用共に、低学年ほど高い所有率を示していること。上記にある通り、日本でのタブレット機の低価格化に伴う普及は、この一、二年で急激に進んでいる。「高校入学の際に良い機会だからと、入学祝も兼ねて家族共有端末として調達した」事例が多分にあると考えれば、ある程度この状態の説明がつく。あるいはパソコンでは高学年の方が専用機の所有率が高いことから、「すでにパソコンがあるのだから、タブレット機は必要ない」との判断を保護者が下しているのかも知れない。

昨今では1万円内外で手に入るタブレット機も増えてきた。電子書籍リーダーとの兼用として使われる事例も増加している。回線とお財布事情を考えれば、自宅でのLAN接続による利用がメインになるから(3G、4Gでの接続は定額制を用いたとしても料金負担が大きい)、監視がある程度行き届くインターネット端末として保護者が与える分には、スマートフォンよりも安心感が高いとする考えもある。

現在はまだ1割内外に過ぎない、高校生の自分専用機としてのタブレット機所有率。今後はスマートフォン同様、確実に上昇を見せていくに違いない。

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1割強はタブレット機を使用…小中高校生のゲーム機・タブレット機の使用状況をグラフ化してみる(2012年度・青少年のインターネット利用環境実態調査版)

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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