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日本ツアー開幕戦4位の大活躍だった早稲田大学の中野麟太朗にうれしい奨学金支給の朗報 #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
写真は2024年1月のソニーオープン出場時(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

日本の男子ツアー(JGTO)開幕戦、東建ホームメイトカップ初日にツアー最少スコアに並ぶ「61」をマークして首位発進した中野麟太朗(早稲田大学)は、「史上8人目のアマチュア優勝なるか?」と日本のゴルフ界を沸かせたが、残念ながら初優勝はならず、結果は4位タイ。

それでも悪天候による不規則進行となったプロの大会で2日目まで首位を維持し、決勝2日間は最終組で回り、プロ競技における自身初のトップ10入りを実現した中野のプレーぶりは実に見事だった。

大勢の報道陣に囲まれ、大勢のファンからサインや握手も求められ、そのすべてにしっかり対応して貴重な経験をした中野に、大会翌日、ビッグな朗報が舞い込んだ。

公益財団法人江副記念リクルート財団によるスポーツ部門現役奨学生の第53回生に選ばれ、この4月から奨学金を授けられることになった。

今回選出された第53回生は全19名。スポーツ部門では、テコンドーの岡本留佳、テニスのクロスリー真優と山本晄、バスケットボールの川島悠翔、スケートボードの開心那、パラアイスホッケーの伊藤樹、そしてゴルフは中野の合計7名。

この奨学金は「使途が海外遠征費用に限られる」とのことで、過去にはフィギュアスケートの羽生結弦が第40回生、バスケットボールの八村塁が第45回生として選ばれており、数々の学生アスリートを世界へ羽ばたかせる手助けになってきた。

中野は昨年の日本アマチュアゴルフ選手権で優勝し、日本学生ゴルフ選手権では2位と大健闘。この4月から早稲田大学の3年生になる。

「大学は必ず卒業する」と宣言しているが、プロ転向の意欲は強く、海外にも目を向けており、昨年も今年もニュージーランドへ自主的に短期留学。現地で英語の習得とゴルフの鍛錬を行ない、今年はプロの大会であるニュージーランド・オープンのたった1枠しかないオープン予選(マンデー予選)を見事に突破して、自力で本戦出場を果たした。

その本戦では、残念ながら予選落ちとなり、悔し涙を流したが、そんな海外での生の体験が、帰国後に推薦出場した日本ツアーの東建ホームメイトカップで早速活かされ、優勝争いに絡んだ。

これまでは、そうした海外遠征の費用は、すべてご両親の負担だったが、この奨学金を得たことで「とてもありがたいです。自費だけで海外転戦させるのは本当に無理でした」と父親の恵太氏。

世界の舞台に立つことを目指す学生アスリートやアマチュア・アスリートの経済的なサポート体制がこうした形で充実していけば、日本のアスリートがワールドクラスのアスリートとなって活躍できる可能性は、これまで以上に高まっていく。

その意味で、この公益財団法人江副記念リクルート財団による奨学金を得た中野選手のこれからの活躍は、日本のジュニアゴルファーたちの未来のチャンスを広げることにもつながっていくはずである。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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