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タイガー・ウッズが「早くもオーガスタ入りして練習ラウンド」の一報に米ゴルフ界が騒がしい #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

3月最後の土曜日となった30日、米ジョージア州オーガスタ市のローカル空港にタイガー・ウッズのプライベートジェットが着陸した記録が確認され、「タイガーがオーガスタ入りした」というニュースで米ゴルフ界はにわかに騒がしくなった。

2024年マスターズ(4月11日~14日)の出場者リストにウッズの名前が載ったことは、3月半ばに世界中で報じられた。

だが、この「出場者リスト入り」は、必ずしもウッズが今年のマスターズの初日の1番ティに立つことを意味しているわけではない。

マスターズ5勝の実績を誇り、自身が望めば、生涯を通じてマスターズに出場することができるウッズは、「今のところは欠場の意思を示していない」からこそ、彼の名前は出場者リストから外されることなく現在も載っているというのが、「出場者リスト入り」の意味である。

そして、ウッズが実際に試合で戦うかどうかは、極端に言えば、初日のウッズのティタイム(スタート時間)に彼が1番ティに現れるかどうかを見極めるまでわからない。

逆に言えば、ウッズは初日のティタイムまでは、出場するしないの決断を保留することができる。

そんな中、ウッズが3月末にオーガスタ入りしたことは、「やっぱりウッズは今年のマスターズで戦うつもりなんだ」という見方を強め、ファンや関係者に笑顔と期待をもたらしつつある。

米スポーツイラストレイテッドは、ウッズがオーガスタ・ナショナルのフレッド・リドレー会長、ツアー仲間で親友のジャスティン・トーマスとともに練習ラウンドを行なったと伝えている。

ウッズは昨年のマスターズの日曜日に持ち越された第3ラウンドの残りを消化できないまま、途中棄権。その直後に、2021年の交通事故で重傷を負った右足の再手術を受け、リハビリのために戦線離脱した。

復帰戦となったのは、昨年12月のヒーロー・ワールド・チャレンジ。この大会では4日間72ホールを戦い通すことができたが、同大会はPGAツアーの非公式戦とされているため、公式な記録上は昨年のマスターズが昨季に出場した最後の大会だ。

昨年末にウッズは「右足の痛みは、もうない」と言い切り、2024年は「毎月1試合に出たい」と抱負を語った。

しかし、今季の自身の初戦となった2月のジェネシス招待では、2日目のラウンド途上で、またしても無念の途中棄権。その後は試合に出ておらず、「毎月1試合」どころか、今年はまだ1度も4日間72ホールを戦えていない。

過去5勝の実績を誇るウッズはオーガスタ・ナショナルの18ホールを熟知しているが、アップダウンが激しいオーガスタは「歩くのが最も大変なコースだ」と、ウッズ自身が何度も語っている。

マスターズ・ウィークより1週間以上も前のこの時期にオーガスタ入りしたウッズは、オーガスタ・ナショナルで練習ラウンドを行なうことで、コースの状況をチェックするというよりは、むしろ自分自身の体力やゴルフがオーガスタ・ナショナルで戦える状況にあるかどうかをチェックすることを目的としているのだと思われる。

無理や無茶は禁物だが、ビリー・ホーシェルをはじめとするPGAツアー選手たちは「タイガーが出るかどうかで試合会場の雰囲気はまったく異なる」と口を揃えている。

観戦するファンにとっても、ウッズが出るかどうかで興味や関心のレベルは大きく異なってくるのではないだろうか。

「出場者リスト入り」して、「とりあえずオーガスタ入り」したウッズが、来たるマスターズで実際にティオフしてくれることを世界中のファンが期待している。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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