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ゴルフ界のビッグな注目。「もしトラ」ならぬ「もしもマツヤマが今週勝ったら」!? #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

昨今、「もしもドナルド・トランプがアメリカ合衆国の大統領に返り咲いたら?」は、米国のみならず世界中の関心を集めており、日本では「もしトラ」という言葉まで飛び交っている。

そんな中、今週のゴルフ界では「もしもヒデキ・マツヤマが勝ったら?」に注目が集まっている。

米フロリダ州オーランドのベイヒルで開催されているアーノルド・パーマー招待の初日を終えて、松山英樹は首位のシェーン・ローリーと1打差の2位タイに着けている。

腰痛でプロアマ戦を棄権したときには少々心配もされていた松山だが、いざ試合が始まってみると、初日は5アンダー、57で回り切り、好発進した。

15番ではグリーン際のラフからのチップショットで、ダブルヒット(2度打ち)になった。その瞬間、松山自身も「やっちゃった」と思ったそうだが、2019年のルール改正後は、偶発的に起こったダブルヒットは無罰となっている。

そのルール変更のことも、当然ながら松山は「知っていた」。そして「キャディにも確認し、ノーペナだと言われた」。

そのホールは、距離が残ったパーパットを沈められず、ボギーを喫した。だが、続く16番(パー5)ではチップイン・イーグルで奪い返したところが、「さすがマツヤマ!」と米メディアも絶賛している。

そんな松山の好調なゴルフを目の当たりにして、米メディアがすぐさま囁き始めたのが、「If he wins this week(もしもマツヤマが今週勝ったら)」という仮定形の話だ。

もしも松山が今週のアーノルド・パーマー招待で優勝したら、記念すべき通算10勝目を挙げることになる。そして今季早くも2勝目となり、2月のジェネシス招待に続く自身の出場2試合連続優勝ということになる。

だが、「もしもマツヤマ」で注目されているのは、そうした数字や記録以外にも、実はある。

もしも松山が今週勝ったら、「帝王」ジャック・ニクラスの大会であるメモリアル・トーナメントを2014年に制し、「王者」タイガー・ウッズの大会であるジェネシス招待で今年2月に勝利し、そして「キング」パーマーの大会を制したら、PGAツアーが誇るレジェンド大会をことごとく制覇することになる。

そして、「球聖」ボビー・ジョーンズが創設したマスターズを2021年にすでに制覇している松山ゆえ、メジャー大会でもPGAツアーの大会でも、とにかくレジェンドのスピリッツが溢れる大会にめっぽう強いことは、すでに実証されている。

ここまで来たら、仮定形の「もしもマツヤマ」から「もしも(if)」を取り払い、「He actually did.(彼は本当にやったね)」に変えるサンデー・アフタヌーンの松山の奮闘を是非とも見てみたい。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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