米ゴルフ界で起こった許し難い出来事。ウッズの長男チャーリーくんの挑戦を踏みにじった大人たち #ゴルフ
米ゴルフ界から「聞くに堪えない話」が聞こえてきた。
ゴルフ界の王者タイガー・ウッズの長男、15歳のチャーリーくんが「親の七光り」を使わずに自力でPGAツアー初出場への道を開こうとしていたところを、心無い大人たちが大妨害したという。
チャーリーくんは地元フロリダ州の名門PGAナショナルで開催されるPGAツアーの大会、コグニザント・クラシック・イン・ザ・パームビーチ(2月29日から3月3日)の出場権を掴み取るために開催されたプレ予選会に挑戦した。
プレ予選会は米国内4か所で行なわれ、各会場の上位25名、合計100名が大会ウィークの月曜日に当たる2月26日にPGAナショナルで開催されるマンデー予選へ進出。上位4名だけが本戦へ出場するという「超」が付くほどの狭き門だ。
大物選手や有名人の息子となると、多くの場合は大会側からスポンサー推薦などがオファーされてPGAツアーに出場できることがきわめて多いのは、ある意味、「世の常」である。「タイガー・ウッズの息子」なら、望めばいくらでも推薦出場は叶うはずである。
しかし、チャーリーくんは「親の七光り」に頼らず、自力で出場資格を手に入れようと、果敢にプレ予選に挑戦した。
だが、そこに待っていたのは、あまりにもひどい大人たちの言動だった。
米ゴルフウィーク誌によると、チャーリーくんが挑んだプレ予選の会場、ロスト・レイクGC(フロリダ州ホーブサウンド)に父親ウッズの姿はなかったが、ウッズの元妻でチャーリーくんの母親エリン・ノーデグレンがチャーリーくんを見守りながら歩いていたという。
黙っていても目立つ「母と息子」の周囲には、みるみるうちに50名を超えるギャラリーが付き、ぞろぞろ歩き始めたそうだ。
だが、チャーリーくんがドライバーショットを大きく曲げてフェアウエイの外側のブッシュ方向へ打ち込むと、何人もの大人たちが打球方向へ全力疾走し、発見したチャーリーくんのボールを「お土産」として持ち帰ろうとしたという。
ギャラリーが歩ける場所を制限するロープは、プレ予選会場ゆえに張られていなかったそうだが、そんな「ローピング無し」に気付いた大人たちは、それをいいことにフェアウエイまで乱入し、チャーリーくんの至近距離を一緒に歩いたりもした。
12番グリーンでは、「ウッズの本」を持ち出して、チャーリーくんにサインを求めたギャラリー女性もいたとのこと。
チャーリーくん自身のゴルフが好調立ったわけではなかったが、そうした大人たちの言動に苛立たされ、まったく集中できない状態になったチャーリーくんは、4ボギー、2ダブルボギー、さらにはパー4の7番で12を叩き、16オーバー、86。マンデー予選進出にはまったく手が届かない大叩きラウンドで終わってしまった。
ビッグスターの子に生まれたための「宿命」なんて言葉で片づけるのは、あまりにも酷い出来事である。ビッグスターの息子に生まれた当の本人が、その「七光り」を使わずに自分の力で勝負をしようとしているところで、周囲の大人たちが興味本位や好奇心、あるいはジェラシーによって心無い行動を取り、邪魔をした。
いや、誰の子どもであろうと、必死に挑んでいる子どもの心を踏みにじった大人たちの行為は許し難い。
そんな出来事が起こったことは、あまりにも悲しい。