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ゴルフ界の歴史を紡ぎ続ける!?ナイキ契約を終了したウッズの「次なるチャプター」とは!? #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

ゴルフ界の王者タイガー・ウッズが27年間に及んだナイキとの契約終了を発表したのは1月8日(米国時間)のこと。

米国ではゴルフ界でも経済界でも「ブレイキングニュース」扱いで報じている。だが、実を言えば、米ゴルフ界では昨年の秋ごろから「そうなるだろう」と予想されていたため、これは青天の霹靂というわけではなく、噂が現実化したという雰囲気である。

そして、ウッズと彼の歩みを熟知している米メディアは、すでにウッズの今後の契約が「どうなるだろうか」という予想を始めている。

というのも、ナイキとの契約終了を発表したウッズ自身が、こう綴っているからだ。

「次なるチャプターはあるのですかと問われたら、答えはイエスだ。もちろん、次なるチャプターはやってくる。LA(ロサンゼルス)で会おう!」

ウッズが言った「LA」とは、2月にロサンゼルス近郊のリビエラCCで開催される「ウッズの大会」ジェネシス招待を指しているのだが、「次なるチャプター」とは何を意味しているのだろうか。

振り返れば、ウッズがPGAツアーにデビューしたのは1996年のグレーター・ミルウォーキー・オープンだったが、そのときウッズはすでにナイキのウエアを身に付けていた。

当時、ウッズとナイキの契約は「アパレル契約」のみだった。しかし、ウッズが1997年マスターズを2位に12打差で圧勝し、ウッズ時代が開花すると、ナイキはボールやクラブの分野にもビジネスを拡大。ウッズとの契約も拡大されていった。

しかし、ナイキは2016年に用具部門から撤退。ウッズの契約もアパレル&アクセサリーのみに縮小された。

そして2024年1月8日に、そのアパレル契約も終了となり、ウッズは「次なるチャプター」の到来を「予言」ではなく「宣言」している。

昨今、ウッズが手にしているのはテーラーメイドのクラブゆえ、アパレル契約もテーラーメイドになるのではと見る向きはある。

だが、ウッズ自身が新たなブランドを立ち上げる可能性やすでに秘かに準備されている可能性も取り沙汰されている。

昨秋に長男チャーリーくんが契約したゴルフ・アパレル・カンパニーのグレイソンと契約し、父子で揃いのウエアをまとう可能性も高いと見られており、そうなった場合は、かつてウッズと契約したナイキがゴルフ用具にまでビジネスを拡大していったように、グレイソンが急成長する展開も不可能ではない。

昨年12月30日に48歳になったウッズは、年齢的にも体力的にもアスリートとしてのピークは過ぎてしまっているが、メジャー15勝を含む通算82勝を挙げた王者は、唯一無二のレジェンドである。

そのレジェンドが紡ぎ出す「新たなチャプター」を楽しみにしたい。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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