マスターズは「延期」と発表
新型コロナウイルス感染拡大により、13日(米国時間)、オーガスタ・ナショナルのフレッド・リドレー会長は4月9日~12日に予定されていたメジャー大会、マスターズ・トーナメントとその直前に予定されていたオーガスタ・ナショナル女子アマチュア選手権、ドライブ・チップ・エンド・パットを「延期する」と発表した。
米PGAツアーのジェイ・モナハン会長が、今週のプレーヤーズ選手権と翌週からの向こう3週間に予定されていた大会を一旦は「無観客で開催する」と発表したものの、約10時間後に前言を撤回し、「中止する」と発表したのは12日の夜だった。
その米PGAツアーの「中止」の発表に続き、マスターズ委員会はマスターズの「延期」を発表。リドレー会長は声明の中で「大会に関わるすべての人々とオーガスタの市民の健康と幸福を考慮した結果、延期の結論に至った」と記し、今後もCDC(アメリカ疾病予防管理センター)やWHO(世界保健機関)と連絡を取り続けていくとしている。延期の時期については「後日」としている。
新型コロナウイルス感染拡大は世界のゴルフ界に多大なる影響を及ぼしている。米LPGAはアジア開催の開幕3試合を中止しており、PGAツアー・チャイナは2箇所の予選会を延期し、シーズン開幕も延期。欧州ツアーはマレーシア、中国、ケニア、インドで開催予定だった大会を中止。日本の女子ツアー(JLPGA)は開幕3試合を中止した。
また、タイで予定されていたアジア・パシフィック女子アマチュアが延期され、米国内外の大学ゴルフも次々に中止されるなど、アマチュアゴルフ界にも影響が広がっていた。
そんな中、米PGAツアーは、3月上旬時点では、すべてのツアー競技を「予定通り開催する」と発表し、マスターズ委員会もマスターズを「予定通り開催する」という声明を4日付けで出していた。しかし、新型コロナウイルス感染が広がる中、「残念だが、現状に対処することが適切である」として、延期を決めるに至った。
ちなみに、1934年にオーガスタ・ナショナル・インビテーションとして創設され、1939年に大会名がマスターズに変更されて以来、同大会が行われなかったのは第2次世界大戦が進行していた1943年から1945年の3大会のみ。また恒例となっている「4月」以外の時期に開催されたのは、1934年と1939年の2回のみである。今回は現状では中止ではなく時期未定の延期であり、後日、開催されれば、大会史上3度目の「4月以外の開催」となるのだが、いずれにしても大会開催の可能性が残されていることが、選手や関係者、ファンにとっては、わずかながらも希望の光となっている。