米PGAツアーはプレーヤーズ選手権第2ラウンド以降、テキサス・オープンまで「無観客試合」を決定
とうとう米ゴルフ界も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、具体的な対応策を取らざるを得なくなった。
米PGAツアーのジェイ・モナハン会長は12日正午(米東部時間)にプレーヤーズ選手権会場のTPCソーグラスで緊急会見を開き、同大会の第2ラウンド(13日)以降の3日間と、同大会に続いて予定されているバルスパー選手権、世界選手権シリーズのデル・テクノロジーズ・マッチプレー選手権、バレロ・テキサス・オープンを無観客で開催し、ドミニカ共和国で開催予定だったコラレス・プンタカーナ・リゾート&クラブ選手権は延期すると発表した。
米メディアからは、すでにプロバスケットボール(NBA)がシーズン中断を決めたことや他のさまざまなスポーツ大会、ビッグイベントが中止、延期を決めた中、「なぜ大会を開催するのか?」「選手らの健康や安全を守れるのか?」といった質問が矢継ぎ早に出た。
モナハン会長はトランプ大統領や連邦政府、フロリダ政府、さまざまな専門家とともに検討した結果、屋外の広いコース内で選手個々人がプレーする「ゴルフならではの特性」を考えれば、144人の選手と限定的な人数のスタッフだけであれば「環境としては安全である」「正しい道である」という結論に至ったと説明した。
「数週間前、このシナリオを話したことがあったが、このタイミングでこうなるとは、、、」とモナハン会長自身、苦渋の表情を見せた。ファンやスポンサー関係者、ボランティアの人々の落胆、さらには入場料収入など実質的な経済的ダメージは「甚大である。しかし、対処しなければならないし、対処するのみ」と毅然と語った。
新型コロナウイルス感染拡大が世界のゴルフ界に及ぼしている影響は、すでに多大である。米LPGAはアジア開催の開幕3試合を中止しており、PGAツアー・チャイナは2箇所の予選会を延期し、シーズン開幕も延期。欧州ツアーはマレーシア、中国、ケニア、インドで開催予定だった大会を中止。日本の女子ツアー(JLPGA)は開幕2試合を中止していた。
また、タイで予定されていたアジア・パシフィック女子アマチュアが延期され、米国内外の大学ゴルフも次々に中止されるなど、アマチュアゴルフ界にも影響が広がっていた。
そんな中、米PGAツアーはこれまで大会開催においては影響を受けておらず、3月上旬には「すべてのツアー競技を予定通り開催する」という声明を出した。
11日にトランプ大統領が英国を除く欧州からの入国を13日から30日間停止すると発表した直後も、米PGAツアーは今週のプレーヤーズ選手権を「予定通り、開催する」と発表。ただし、「CDC(アメリカ疾病予防管理センター)やWHO(世界保健機関)、地元の保健省などと緊密に連絡を取りながら、刻々と変化する状況を注視し、対応を検討する」としていた。
それから約10時間、あらためて米ツアーとしての対応策を検討した結果、現在進行中のプレーヤーズ選手権を含めた4試合を「無観客で開催する」ことを決めた。