タイガー・ウッズの「1日キャディ役」を821万円で落札!その使途は!?
今季最初のメジャー、マスターズで優勝し、続く2つ目のメジャー、全米プロで予選落ちしたタイガー・ウッズ。
今週は米ツアーのメモリアル・トーナメント(5月30日~6月2日)に出場するが、それに先立ち、5月24日~25日の2日間は毎年恒例の「タイガー・ジャム」を開催。ウッズ自身も参加した。
【華やかなショー&堅実な発表会】
「タイガー・ジャム」は、ウッズが主宰するTGR財団によって主催・運営されるチャリティ・イベント。ウッズがプロデビューしてわずか1年半後の1998年に創設され、今年で19回目を迎えた(途中、中止の時期があった)。
イベントの舞台は昔も今もラスベガスだ。創設当初はコンサートが主体だったが、年々、その内容は充実化されている。
今年は、ラスベガスのシャドウクリークCCで、ウッズがさまざまな技を実演するエキシビションと2ラウンドのゴルフが行なわれ、夜にはジャネット・ジャクソンのコンサート、ポーカー大会などエキサイティングな催しが目白押しだったそうだ。
華やかなショーが繰り広げられる一方で、堅実な発表会もきっちり行なわれた。TGR財団が米国、そして世界中の学生たちをサポートしている奨学金の報告会が行なわれ、奨学生やTGRラーニングセンターの卒業生たちのスピーチも披露された。参加した人々はウッズとTGR財団の社会貢献にあらためて感謝の念を深めていたという。
【オークションに出品された「1日キャディ役」】
タイガー・ジャムに参加する人々の「最大の目的」と言われているのが、チャリティ・オークションだ。ウッズゆかりの品々が多数出品され、参加者が競り落としていくのだが、その中で最高値で落札されたのは、昨年も今年も「ウッズのキャディをする権利」だった。
毎年12月にバハマで開催される「ウッズの大会」、ヒーロー・ワールド・チャレンジのプロアマ戦で、ウッズのバッグを担ぎ、キャディ役を務める権利が、昨年からこのチャリティ・オークションに「出品」された。
昨年、この権利を5万ドルで落札した男性は、昨年12月のヒーロー・ワールド・チャレンジで実際にウッズのバッグを担ぎ、本来のキャディであるジョー・ラカバがその傍らを一緒に歩きながらキャディのハウ・ツーを手取り足取り、教えていた。
実を言えば、そのときウッズは高熱を出してフラフラだったのだが、それでもウッズは体調不良をおしてプロアマに出場。せっかく5万ドル(約547万円)で落札した「夢のキャディ役」をこの男性に務めてもらった。
今年のチャリティ・オークションでそのキャディ役を落札したのは、あるビジネス団体の創設者でCEOでもある男性。落札価格は昨年よりさらに高値の7万5000ドル(約821万円)だった。
【すでに23億円!】
ウッズのバッグを担いでプロアマ戦をともに回る1日のためだけに何百万円もの大金を支払うと考えると、首を傾げる人々もいるかもしれない。
だが、その大金が、その場限りのものに消費されて消えていくのではなく、すべてチャリティとしてTGR財団へ寄付され、社会的環境や家庭の事情によって困窮している子供たちの教育に役立てられると考えれば、「よし、払おう!」と手を挙げる人々が大勢集まる。だからこそ、こうしたチャリティ・オークションが成立している。
このオークションのみならず、ポーカー大会もコンサートもゴルフのラウンドも、参加費用等々からの収益は、すべてチャリティ寄金に回される。
タイガー・ジャム創設以来、集まった寄付金は、すでに21ミリオン・ダラー(2100万ドル=約22億9890万円)。ほぼ23億円に近い。ウッズという選手のスケールの大きさは、メジャー15勝、通算81勝という勝利数のみならず、こうしたチャリティ活動にも見て取れる。
プロデビューした直後から社会貢献に尽力してきたウッズだからこそ、絶大なる勝利数を誇り、王者に輝き、そして奇跡の復活を遂げることができたのだろう。私は、そう信じている。