全米オープンチャンプの妻、DVで逮捕という悲しい出来事

プレーヤーズ選手権はセカンドカットにより3日目で敗退。その後、事件が起こった(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 驚きのニュースが飛び込んできた。2009年の全米オープン覇者、ルーカス・グローバーの妻がDV(ドメスティック・バイオレンス)で逮捕されるという出来事が起こった。

 事件が起こったのは5月12日の深夜(米国東部時間)。プレーヤーズ選手権の土曜日の深夜だった。

 グローバーの妻クリスタが夫であるグローバーとその母親に暴力を振るい、2人に肉眼で見てはっきりわかるほどのケガ(傷)を負わせ、その場で逮捕された。

 妻クリスタは日頃からメジャー大会やビッグ大会で夫の成績が振るわないと暴力的になることが頻繁にあったそうだ。先週のプレーヤーズ選手権でグローバーは第3ラウンドで「78」を喫し、セカンドカット(2段階カット)で振るい落とされて最終日はプレーできない結果になった。

 TPCソーグラスの近くに借りていた宿にグローバーが戻ると、妻クリスタは夫に数々の暴言を浴びせて成績などを罵倒。そして暴力に及んだという。

 現場に駆け付けたフロリダ州セント・オーガスティン警察によってクリスタは現行犯逮捕され、パトカーで連行されるという事態になった。

 かなりの量と思われるアルコールをすでに摂取していたと見られるクリスタは、その際、大声で叫んだり、暴れたりで激しく抵抗。パトカーに乗せられてからも、ドアを蹴るなどして車両にも損傷をもたらしたそうだが、一時的に収監された後、日曜日のうちに2500ドルで保釈された。

 グローバーはサウス・カロライナ州出身の38歳。2001年にプロ転向し、2004年から米ツアーに参戦。2005年にフナイ・クラシックで初優勝を挙げ、2009年全米オープンでメジャー初優勝、2011年にさらに1勝を挙げ、米ツアー通算3勝の実力者だ。

 だが、近年は優勝から遠ざかり、成績はあまり振るっていない。とはいえ、米ツアーのフェデックスカップランキングは95位、世界ランキングは104位とそこそこの位置を維持している。

 グローバーはすでにツイッターで妻の逮捕の事実を認め、その上で「妻が逮捕されたことは残念なことだが、妻は大丈夫だし、母も大丈夫。家族で解決していくので、そっとしておいてほしい」と伝えた。

 米ツアー選手やその家族がDVで逮捕されたのは、公式な記録はないが、私が知る限りでは、おそらく初めてで、とても残念な出来事である。

 米ツアーや選手、関係者たちの今後の反応が気になるところだが、ゴルフ界とグローバーの家族の動揺が最小限にとどまることを祈りたい。

東京都出身。早稲田大学政経学部経済学科卒業。百貨店勤務、広告代理店勤務後、89年に独立。93年にゴルフジャーナリストとして渡米以降、米国に常駐。米ツアー選手や関係者たちと直に接しながら築いた信頼関係、豊富な情報や知識をベースに米国ゴルフの面白さ、厳しさなどを独特の表現でときに優しく、ときに厳しく発信し続けている。選手のヒューマンな一面を描き出しては綴る“舩越節”、”園子節”には根強いファンが多い。

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