「短いスカートNG」のドレスコードを発表した米女子ゴルフ

スカートは短すぎたらアウト。罰金1000ドル。彼女たちはどう受け止める?(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

「スカートは、立っているときも屈んだときも、いついかなるときも、ボトムエリアを隠し得るに十分な長さでなくてはいけない」

アン・シネもびっくり、彼女の男性ファンもびっくり。いやいや、ゴルフ界全体がびっくりさせられるドレスコードを米LPGAが規定し、女子選手たちにEメールで通達を出した。

【なぜ今、服装規定?】

ゴルフウエアが多様化し、日本でもアメリカもヨーロッパでもアジアでも、フェアウエイが華やかになりつつある現代。その傾向はプロからアマチュアへとトップダウンで広がりつつある。

だが、その一方で、クラブハウスにはジャケット着用、シャツはきっちりとした襟付き、男性の短パン禁止あるいは短パン着用の場合はハイソックス着用、女性の短いスカート禁止といった旧来の服装規定を今でもメンバーやゲストに求めるプライベートクラブもある。

名付けて「華やか多様化組」vs「伝統組」、どちらが多数派かと言えば、現代はすでに前者がマジョリティになりつつあるという印象だが、ゴルファーの出で立ちを華やかで多様なものにするにしても、そこには一定の決めごとが必要で、「お色気路線はNG」というのが、今回の米LPGAの考えのようだ。

選手たち宛に送られたEメールの文面には、いくつかの固有名詞が登場。米男子ツアーの「リッキー・ファウラーはジョッガーとハイトップを身に付けている」、ゴルフアパレルに注力している「ナイキは襟無しのポロシャツの製造を始めた」、そして「(男子の)欧州ツアーは選手の練習日の短パン着用を認めた」という具合。

もちろん、米LPGAは引き合いに出したこうした例を頭ごなしに否定したり批判したりしているわけではない。

ゴルフの服装が多様化している今だからこそ、これからどうなっていくのか、どうするべきなのか、「みんなが興味感心を抱いている中で、ゴルフを司る団体は多様なオプションに制限を設け、然るべきドレスコードを選手たちに適用すべきだ」と謡い、いくつかの規定を列挙している。

【見えるのはダメ】

選手に対するコース上の規定の中には、襟に関するもの、レギンスに関するものもあったが、驚かされたのはスカートの長さだ。

「スカート、スコート、ショーツは、立っているときも屈んだときも、いついかなるときも、ボトムエリアを隠し得るに十分な長さでなくてはいけない」

「ボトムエリア」の部分には但し書きも付いており、いわゆる「アンダーショーツ(アンダースコート)を履いているとしても、きっちり隠れる長さのスカート、スコート、ショーツで身を包むようにと知らされていた。

プロアマのパーティーでの服装にも触れ、「プロフェッショナルなイメージになるように」「ドレッシーなジーンズはOKだが、穴が開けてあるジーンズやカットオフは不可」。

さらには、キャディやマネージャー、トレーナー、メディアも含めていると考えられる“インサイドロープの服装”は「トレーニングウエア不可。ジーンズは全カラー不可」と細かく規定されている。

この新しいドレスコードは、今週の全米女子オープン終了後の7月17日の月曜日から即施行となるそうで、違反者には罰金1000ドルが科せられるという厳しいものになる。

【どう受け止める?】

日本ではセクシークイーン、アン・シネの人気が高まり、ファンも増えて、女子ゴルフへの注目度が増している。

一方、近年の米女子ゴルフの人気は低迷の一途を辿っているが、今回の新ドレスコードの発表は、それでもセクシーさで魅力を訴求するつもりはないという米LPGAの強い意志表示と受け取れる。

もしも今、アン・シネが米女子ツアーの試合に出ることになったら、彼女のスカート丈は間違いなく「アウト」となるが、それを彼女はどう受け止め、彼女らのセクシースタイルを容認している日本の女子ゴルフはどう受け止めるだろうか。そして、ファンはどう思うのか。

その論議は、これから始まるはずだ。

東京都出身。早稲田大学政経学部経済学科卒業。百貨店勤務、広告代理店勤務後、89年に独立。93年にゴルフジャーナリストとして渡米以降、米国に常駐。米ツアー選手や関係者たちと直に接しながら築いた信頼関係、豊富な情報や知識をベースに米国ゴルフの面白さ、厳しさなどを独特の表現でときに優しく、ときに厳しく発信し続けている。選手のヒューマンな一面を描き出しては綴る“舩越節”、”園子節”には根強いファンが多い。

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