●常田は「King Gnuはじめっぞ!」と熱い叫びを国立代々木競技場 第一体育館に響かせた

この2年間、待ち望んでいた瞬間だった。今や日本を代表するロックバンドとなったKing Gnu(キングヌー)。とにかく今回のツアーにおけるパフォーマンスが、彼らのライブ史上ずば抜けてエモーショナルに突き抜けていたのだ。

しかし、パンデミック下の規制が続くコンサート業界。だが、この年末に客席数に関しては制限が解放された。

もちろん、ニューノーマル時代のルールの徹底は厳守され、ライブ中にオーディエンスが声を上げることはできないのだが、目の前で繰り広げられていく”キング”を待ち望む”ヌー”の群れによる”えも言われぬ一体感”を味わえる至宝のステージ。

開演前から、ワクワクが止まらなかった。

ライブ後、会場にいた誰もが思ったはずだ。とんでもなく素晴らしいライブを体験したと。

パンデミック下の鬱屈した感情を、心の奥底から解放してくれたステージ、それがKing Gnu、過去最高を超えていく全国ツアー『King Gnu Live Tour 2021 AW』だ。

しかし、コロナ禍であることがこんなに悔しいと思ったことはなかった。今のKing Gnuの経験値と実力であれば、世界のロックシーンを制覇できたのではないだろうか? そんな妄想めいた、いち音楽ファンの戯言が間違いでなかったことを確信した圧巻のステージ。12月15日(水)ツアー千秋楽、国立代々木競技場 第一体育館での公演をレポートしよう。

セットリストを追体験できるように、各楽曲のミュージックビデオYouTubeリンクをレポートに合間に貼るが、まあKing Gnuの魅力がわかるあなたは、気にせず飛ばしながら読んでほしい。

Photo by Kosuke Ito
Photo by Kosuke Ito

オープニングは、モノクロの映像とノイズが混じり合いヘヴィなビートに乗せてスタジアム・ロックなサウンドを轟かせる「飛行艇」からスタート。今年2021年に開催された『東京2020オリンピック』でも様々なシーンで耳にした魂に火を灯すナンバーだ。

常田大希(Gt.Vo.)は、まずあいさつがわりに「東京!」と曲中でシャウトした。勢いそのままに、井口理(Vo.Key.)&常田によるツインボーカルがインパクト絶大なアッパーチューン「千両役者」へと突入。ここでも常田は「King Gnuはじめっぞ!」と熱い叫びを響かせる。

緑のレーザーが縦横無尽に飛び交うなか、唯一無二の4人によるダイナミックなプレイで一気に会場の空気をヒートアップさせていく。

●スペシャルな空気感を生み出す演奏力の高さに心が奪われていく

グルーヴは止まらない。今やKing Gnuの歌えるポップナンバーの代表曲となったメロディアスな「Vinyl」。

そのままトップギアへと可変しながらキャッチーなリフが耳に刻まれる「Sorrows」へと流れ込む。

本日初MCでは、井口が「こんばんは、King Gnuです。ツアー・ファイナルということで、みんなで有終の美を飾ろうと思います。よろしくお願いします!」と、ツアー千秋楽というプレミアムなチケットを手にしたオーディエンスへ素直な気持ちを伝えた。

ここからはKing Gnuが、多彩な音楽センスに満ちた特異な音楽集団であることを証明するレパートリーのオンパレードだ。「ユーモア」、「白日」、「破裂」、「Prayer X」という、紅白歌合戦でも歌われたポップ・ミュージックを交えながらも、シリアス・ミュージックの魅力をも秘めた恐るべき自由度の高さを解き放つ楽曲たち。

そして、深遠なる雰囲気を漂わせるドラマティックなKing Gnuワールドの真骨頂「The hole」という、決して他のバンドでは生み出せないであろう、井口によるシアトリカルなボーカリゼーションの魅力、テクニカルなグルーヴを構築する野生的な勢喜遊(Drs.Sampler)と、安定感ある新井和輝(Ba.)による見事なコンビネーション、さらにギターでの狂騒極まるステージから一転、常田による静謐なピアノへと視線が集中していく。

Photo by Tomoyuki Kawakami
Photo by Tomoyuki Kawakami

まさに、どこにも属さない誰にも似ていない、オリジナリティーの高いスペシャルな空気感を生み出すプレイに心が奪われていく。

さらに前身バンド、Srv.Vinci時代に生み出した「ABUKU」のリメイクである「泡」でのアブストラクトなプレイ。

イントロから没入感高く引き込まれていく「Hitman」。そして、井口による究極のオペラボイスを堪能できる「三文小説」が繰り広げられ、バンドの想いはオーディエンスへと届き、ライブ会場はせつなさのミストで満たされ一体感でいっぱいとなる。

●注目は、“きらめきを探してよ”のフレーズで、井口と常田がひとつのマイクスタンドを挟んで二人で向き合いシャウトするシーン

King Gnuは、日本の音楽シーンのクオリティーを確実にアップデートした。しかしながら、とある音楽評論家は言った“アメリカのビルボードチャートを見てごらん、ロックは終わった”、と。だが、King Gnuを観ていればロックはまだまだ進化できるし、ポップはリスナーにおもねるだけのものでないことを、次々と繰り広げていくライブ・パフォーマンスによって証明してきた。

Photo by Tomoyuki Kawakami
Photo by Tomoyuki Kawakami

長めのMCでは、井口が「皆さんのおかげでツアー・ファイナルを迎えることができました。ありがとう」と感謝の想いを語り、そして「ただいま中盤かな。ここからぶちあがっていけますか?」と煽りながら、ライブは後半戦へと加速していく。

常田が拡声器片手にシャウトするパンキッシュな「Slumberland」の登場だ。止まらないラップの応酬に煽られまくるフロア、しかしながらパンデミック下ではコール&レスポンスは禁じられている。そんな悔しい思いを乗り越え、感情の憤りを昇華していくかのように、常田は“Open your eyes”と聴くものに訴えかける。

Photo by Kosuke Ito
Photo by Kosuke Ito

続く、オーディエンスの一体感の熱さは人気チューン「Tokyo Rendez-Vous」でよりアッパーに弾けていく。

●きらびやかな光の瞬きに見守られながら、大団円を迎えていく輝く巨大な繭のような音楽空間

オーラスへ向けて爽快な「傘」、ロック濃度高めの「どろん」によってグルーヴィーに脳内のアドレナリンがかき混ぜられつつ。

とどめはアグレッシヴなビートチューン「Flash!!!」における、煌めくライティング&バンド・アンサンブルによるダイナミズムだ。

そして、井口による「なんか踊るとかじゃなくって、狂ってください!」と、バンド史上最も青春ロック度の高い、ストレートなナンバー「Teenager Forever」を痛快に繰り広げていく。

注目は、“きらめきを探してよ”のフレーズで、井口と常田がひとつのマイクスタンドを挟んで二人で向き合いシャウトするシーンに胸ときめいたオーディエンスは多かったのではないだろうか。

Photo by Tomoyuki Kawakami
Photo by Tomoyuki Kawakami

忘れられないワンシーンだ。

やりきった感でいっぱいのメンバーの表情に、フレッシュな魂がシンクロするオーディエンスたちの笑顔の連鎖がとても心地よい。

アンコールでは、King Gnuならではのポップ鮮度をさらに更新していく新境地となるポップチューン「BOY」。超絶フレッシュかつキャンディポップなメロディー展開。構造はこだわりながらも耳触りはソフトで優しい。こんな素敵な曲、なかなか出合えないと思う。貴重なる作品との出会いに感謝だ。

そして、新曲「一途」のミュージックビデオ映像を瞬間的に挟み、ダブルアンコールとして、ライブでは初解禁。ツアー千秋楽だけのお楽しみとなる最新曲「一途」をサプライズで披露。

早くもチャートなど27冠を記録し、大ヒット中のナンバーだ。常田と井口による、まるで溶け合うかのように早急な掛け合いが感情をアップリフトしていく、白いレーザー光線とサウンドが爆裂するキラーチューン。

Photo by Tomoyuki Kawakami
Photo by Tomoyuki Kawakami

途中、勢喜による「とべー!」のシャウトでさらにぶち上がるオーディエンスたち。声を出せないライブ空間ながら、ありえないほどの一体感が生まれた瞬間だ。

本作は、世界中から待望されているアニメーション映画『劇場版 呪術廻戦 0』主題歌でもある。映画は『呪術廻戦』の原点であり“愛と呪いの物語”だ。

ここで、息の上がった井口が気力を振り絞るように「明日は仕事だ、家庭だなどあると思いますけど、楽しくやってください。揺れて帰りましょう!」。そして、今回のツアー途中から、ライブ中にオーディエンスによるスマホのライティングが自然のうちに定番化した、たゆたうようにサイケデリックなポップナンバー「サマーレイン・ダイバー」をプレイ。

客席からの、きらびやかな光の瞬きに見守られながら、大団円を迎えていく輝く巨大音楽空間。愛おしき、余韻の美しさ……。

Photo by Tomoyuki Kawakami
Photo by Tomoyuki Kawakami

King Gnuはビッグなライブ会場が似合う。“キング”率いる“ヌー”の群れは、仲間やオーディエンスを巻き込みどんどん大きくなってきた。”泣きの季節”が続いたコロナ禍のリベンジ、ついに国立代々木競技場 第一体育館を制覇したのだ。2022年も、さらなる進化と驚異のライブ・パフォーマンスを期待したいと願う。

SET LIST

M1 飛行艇

M2 千両役者

M3 Vinyl

M4 Sorrows

M5 ユーモア

M6 白日

M7 破裂

M8 Prayer X

M9 The hole

M10 泡

M11 Hitman

M12 三文小説

M13 Slumberland

M14 Tokyo Rendez-Vous

M15 傘

M16 どろん

M17 Flash!!!

M18 Teenager Forever

EN1 BOY

EN2 一途

EN3 サマーレイン・ダイバー

『King Gnu Live Tour 2021 AW』

全国7会場14公演で延べ約9万人動員

ツアー・ファイナルの国立代々木競技場第一体育館約11000人動員

10月29日(金)仙台 ゼビオアリーナ仙台 OPEN 18:00/START 19:00

10月30日(土)仙台 ゼビオアリーナ仙台 OPEN 16:00/START 17:00

11月 6日(土)福岡 マリンメッセ福岡A館 OPEN 15:30/START 17:00

11月 7日(日)福岡 マリンメッセ福岡A館 OPEN 15:30/START 17:00

11月12日(金)札幌 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ OPEN 18:00/START 19:00

11月13日(土)札幌 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ OPEN 16:00/START 17:00

11月17日(水)大阪 大阪城ホール OPEN 17:00/START 18:30

11月18日(木)大阪 大阪城ホール OPEN 17:00/START 18:30

11月27日(土)埼玉 さいたまスーパーアリーナ OPEN 15:30/START 17:00

11月28日(日)埼玉 さいたまスーパーアリーナ OPEN 15:30/START 17:00

12月 4日(土)名古屋 Aichi Sky Expo OPEN 15:30/START 17:00

12月 5日(日)名古屋 Aichi Sky Expo OPEN 15:30/START 17:00

12月14日(火)東京 国立代々木競技場第一体育館 OPEN 17:00/START 18:30

12月15日(水)東京 国立代々木競技場第一体育館 OPEN 17:00/START 18:30

Official HPhttp://kinggnu.jp/

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