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NFT×音楽で変わる次世代音楽シーンの兆候 〜ニルギリス最新曲の場合〜

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
ニルギリス photo by ニルギリス

”NFT”がバズワードとなっています。NFTとは”Non-Fungible Token(非代替性トークン)”の略称なのですが、”トークン”という概念を普段活用しない日本語で理解するのは少々難しいですよね。

いわばブロックチェーン上のデジタル資産の一種であり、ビットコインなどで知られる暗号資産の兄弟のような存在といえばわかりやすくなるでしょうか。ちなみに、ビットコインや暗号資産は貨幣に近くこの場合は”代替性”ある”Fungible Token(代替性トークン)”です。

”非代替性”であるNFTは、リアルの現場でいえばひと席しかないコンサート会場で使用するライブチケットという考え方に近いかもしれません。

NFTを活用することで、コピー可能だったデジタルデータに替えの効かない固有の識別情報を持たせ、希少性や唯一性を与えることが可能となるのですが、デジタルデータの扱いに長けた音楽ユーザーには過去の歴史上、DRM(Digital Rights Management / デジタル著作権管理)などコピーコントロールとごっちゃになる恐れがあります。

いわば、デジタル作品に希少性や唯一性を与え、ブロックチェーンの仕組みによって管理できる”鑑定書”というのがわかりやすいかもしれないですね。なので、楽曲ファイル自体はストリーミング配信することも可能ですし、コピーすることも可能なんです。NFTと言う名のデジタル鑑定書が付いているということがビジネスやアート価値を最大化する際に大事なポイントとなります。

しかしながら最近話題のNFTアート作品は、海外などでニュースとなるとどうしてもオークションで高騰する価格のみが先行して話題になりがちです。注目すべきなのは、作品の内容であり、デジタルとの親和性、そのアート価値をあらためて考える良い機会なのだと思っています。

日本だと一般的な音楽商品の価格設定が、シングル1000円〜2000円、アルバム3000円〜5000円、ダウンロード150円〜250円、ストリーミング月額1000円ぐらいという、なんとなくメーカー、インフラ側の都合で決められている作品価値。

普及品として、CD、レコード、カセット、ダウンロード、ストリーミングが存在するとともに、ファンダムな要望に応えるデジタル鑑定書付きの限定品として、価格設定をアーティストが提示してリスナーがオークションで最終価格を決定するという購入選択肢があってもいいはず。

気がついたら、ストリーミングサービスなど1回再生の単価が1円以下と安く感じられ長期的にロングテールな制作費の回収になりつつある音楽シーン。短期的に表現者がレコーディングやミュージックビデオ制作費を回収しやすい可能性があることに、アーティストとリスナーを直接結びつける音楽NFTアートの希望があると思います。

なお、今後セカンダリーマーケット(リアルで言う所の中古市場 / ブックオフやメルカリ、ヤフオク的な)が普及したら、作品を転売した際、利益の一部がアーティストへも支払われます。これがブロックチェーンを活用したNFTの大きなポイントですね。

それに、すでに実験は進んでおりますがゆくゆくはメタバース上で飾ったり、聴いてもらったり、視聴会、展示会を行うなど、新しいコミュニケーションツールにもなるかもしれません(妄想)。

小室哲哉さんもJ-WAVEとコラボレーションした作品を出品したことでも知られる、音楽×アートワークをNFT販売する、音楽領域に特化したNFTマーケットプレイス.mura(ドットミューラ)では、ログインする際、入札者を身分証明書で登録確認するなどセキリュティーを強化しているとのこと。もちろん、その分購入者の参加ハードルは上がりますが、アーティストや購入者を守ることにも繋がると思います。

まだまだNFTやブロックチェーンは黎明期であり、ここから始まっていく音楽NFTカルチャー。

そんななか、大事なのは作品力。.muraへ大切な新曲を出品して、新しい仕組みでリスナーと音楽の楽しみ方を生み出していく再始動したばかりのニルギリス大名曲「星空のラプソディ」に着目したいと思います。

ミュージックラヴァーで耳利きな方、この曲の凄さ、伝わるはずです。聴くべしです。ご興味をお持ちになられた方は、初のNFT体験として購入されてみては? 

※オークションは今晩12月5日22時まで。終了日時の5分前以降に入札があった場合、自動的に終了日時を10分間延長します。

ニルギリス photo by ニルギリス
ニルギリス photo by ニルギリス

<作品購入先リンク>

https://dot-mura.com/product-detail/01FM910YGYB542FA0D7ERGK8YN

<.mura公式キュレーター:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)による解説>

渡辺美里「My Revolution」をマッシュアップした「コモンガール」や、アニメ『交響詩篇エウレカセブン』オープニングテーマ「sakura」などで知られるニルギリス。5年前に解散したハイパーポップ・バンドが、2021年6月29日に3人組として復活した。パンデミック後を予感させる“喪失と覚悟”をテーマにしたゴスペル・ライクな最新曲「星空のラプソディ」は、エモーショナルにハートを直撃する名作ポップチューンだ。配信リリース中の本作は、同時に“NFTアート作品”として音源×アートワークの出品がスタート。アートワークを担当したMomo Doodle氏による絵画的なアニメーションMVも公開中だ。

なお、レアな1点モノである本NFT作品を落札すると、購入者であるコモンズオーナーは、アーティストを支援できる新スタイルとして、同曲のストリーミング・ロイヤリティの20%を受け取れる。いわゆる好きなアーティストを応援しながら広めることができ、ロイヤリティも享受できるというかつてないファンとの“距離感の近い”な関係性を打ち出している。重要なのはSpotify、Apple Musicなどストリーミング全盛時代、再生回数主義でありロングテールなストリーミング以外の収入源を“NFT”を活用することで先行して得られることだ。ファンがアーティスト活動に関与できる夢のような試み。ぜひチェックあれ!

<ニルギリスによる作品説明>

再結成後第3弾となる新曲「星空のラプソディ」(Rhapsody in the Starry night )テーマは”喪失と覚悟”。

スピリチュアル且つディープなニルギリス流現代版ゴスペルソングとも言える、まさに再結成後の新しいニルギリスを体感できる曲になった。

切なくも情感あふれる岩田アッチュのボーカルが、漆黒の夜空を満天の星となって彩る琴線に触れる美しい映画のサウンドトラックのようだ。

マスタリングはArtisans Mastering の森崎雅人を起用しアップルデジタルマスターとしても配信される。

※注意

・今回の収益分配は「ストリーミングサービスの配信収益」のみとなります。「音楽出版権」やその他の権利から生じる収益に関しては含まれておりませんのでご注意ください。

・ストリーミングサービスの配信収益について、分配期間はリリースから3年間行わせていただきます。

・落札者の方には本作品の音源データ(24bit48k)をダウンロードいただけます。

<作品購入先リンク>

https://dot-mura.com/product-detail/01FM910YGYB542FA0D7ERGK8YN

ニルギリス公式サイト

https://nirgilis.net

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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