2021年を振り返ると、”NFTアート”が、ITやアートシーンにおいてバズワードとなりました。イラストやファッション、3Dデータ、VR作品などクリエイティブな作品に”プレミアムな限定品”という新たな付加価値、楽しみ方、伝えられ方が生まれています。

では、音楽NFTアート作品はどうなのでしょうか?

音楽領域に特化したNFTマーケットプレイス.mura(ドットミューラ)にて、11月5日、第一弾アーティストとして、artとmusicを融合する東京発のクリエイティブ・ユニットam8 am8の作品が7作品一挙出品されました。

https://dot-mura.com

am8.:photo by .mura
am8.:photo by .mura

そして本日21日、22時にオークションが終了します(※終了日時の5分前以降に入札があった場合、自動的に終了日時を10分間延長される)。従来ネットオークションは、早めに入札すると価格が上昇してしまうため、締め切りギリギリに入札が入るものなので、一体どんな展開となることでしょうか。

SpotifyやApple Musicなど、再生回数重視でロングテールなストリーミングミュージックと対照的な、プレミアムな限定品を取り揃えていくオークションスタイルの音楽NFTマーケットプレイスという新しい存在。

<注>上の楽曲は出品されていません。am8曲、最高にかっこいい参考例!!!

音楽NFTアートをわかりやすくいえば、シェアや再生回数が評価基準となっていたデジタル音楽シーンにいて、まったく逆の概念である証明書付き”プレミアムな限定版”の復活です。

それこそ、CD時代の紙パッケージなどの限定版、懐かしいですよね? 今や生産枚数の限定された人気作はメルカリ、ヤフオクなどで現在も高値で取引されていますが、ブロックチェーン、鑑定書を記録できるNFTのテクノロジーを活用すれば、中古市場など特定のセカンダリーマーケットで転売された際、アーティストへ事前に決めたパーセンテージにおいてフィーが入る仕組みとなります。これは、表現者が創作活動を継続していく上で画期的なことだと思います。

音楽シーンにとってメインエコノミーとなる利便性の良さと海外展開へとつながるストリーミングミュージック。サブとなる限定性あるプレミアムな作品が管理されながら流通していく音楽NFTアート。どちらかということではなく、両面あるべきなんですよね。

こういったサービスって、すでに人気があるファンが多いアーティスト向きでしょ? と思われる方も多いかもしれません。しかしながらNFTマーケットプレイスの場合、商品が1点モノや出品するエディション数を限定して出品するので、不特定多数への宣伝を必要としません。ゆえに、初期ファンへ向けての作品サービスという考え方もできるかもしれません。

たとえになるかわかりませんが、音楽好きな皆さんと同じように、僕はBUMP OF CHICKENやレミオロメン、Srv.Vinci.(King Gnu前身バンド)などなど、デビュー前のアーティストの初期デモテープ音源や500枚限定の8cm CD、限定CDなどなど、まだ売れる前のアーティスト初期段階の限定アイテムをちゃんとお金を払って公式に購入するのが趣味なのですが、そんな形で売れる前から応援してくれる音楽ファンのアーリービリーバーが将来的に得する仕組みにもなったら、無名のニューカマーにもより注目が集まり、新人アーティストの音楽NFTアート作品注目が集まり、制作資金を調達しやすくなるマーケットになるのでは? と思いました。

そして、今回第一弾での参加アーティストとなったam8の作品の場合、落札者である購入者=コモンズオーナーには、ストリーミングサービスでの再生回数に応じたフィーが分配がされるという、アーティストと音楽ファンの新しい仕組み、関係性の構築となります(※出品アーティストによって仕組みは異なります)。

<注>上の楽曲は出品されていません。am8曲、最高にかっこいい参考例!!!

そして、歴代購入者の名前は履歴として記録されていきます。アートの世界では著名な誰々が買ったから作品の価値が高まったとか、そんな逸話もあるんですよね。

なお、NFTアート自体に関しては、現在発売中の雑誌『美術手帖 ”NFTアートってなんなんだ?!”』が本質とシーン全体を把握できるのでオススメです。

https://bijutsutecho.com/magazine/insight/24808

とはいえ、音楽領域のNFTは世界的にもまだほとんど開拓されていません。大きな歴史で俯瞰すればまっさらな状態です。ルールや法律も事例が少なく未開拓状態です。音楽アーティストのまったく新しい表現に真っ先にチャレンジしてくれたam8は、画期的な第一歩を記したと思います。

では、そんな黎明期状況の”いま”、音楽NFTアートとは一体どんな存在となるのでしょうか?

この記事をきっかけに興味を持たれたり、疑問に感じられていたり、お試しされるには良い機会だと思います。am8、アートワークもサウンドも文句なし、クオリティーも高くオススメです。まだまだ作品を購入経験あるユーザーも少ないことでしょう。作品を出品したアーティストも少ないことでしょう。まさに黎明期。付加価値の高い限りなくDtoCに近いモデル。表現者にとって、先行者メリットある世界なのでは、と思います。

.muraでは、11月12日からは第二弾作品として、先日、小室哲哉さんがデジタル・クリエイティブフェス『J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2021』で即興制作した音源も出品もされました。すでに作品によっては、スタート時から10倍以上入札価格が広がった作品もあります。今後後続するアーティストへのチュートリアルを体現してくれているかのようです。

小室哲哉(イノフェス ):by .mura
小室哲哉(イノフェス ):by .mura

NFTによって、音楽アーティストはアートの価値を取り戻すかもしれません。

これまで、CDやダウンロード、ストリーミング文化の浸透によってインフラやメーカーが力を持ちすぎた面は否めません。商業主義なので当たり前です。しかしながら、インターネット成熟時代、アーティストがある種価格決定権を持ち、オークションを活用して次なる制作費を獲得して行く仕組みを手にすることは、表現者にとって新たな選択肢を得ることとなったのではないでしょうか。もちろんこれらも、従来の仕組みとバッティングすることなく、都度作品性によってアウトプットの仕方を選んでいけばいいのだと思います。

ブロックチェーンを活用したNFTを作品に付与することで、今後、二次マーケットで転売される可能性も含めて、音楽業界はレコード、カセット、CD、MD、ダウンロード、ストリーミングという”入れもの”の進化から、さらにチャンスが広がり、音楽の新しい楽しみ方、新しい伝え方が増えていくのでしょう。

まさに、NFTは次世代音楽カルチャーを牽引する可能性を秘めています。デジタルによる音楽シーンに革命が起きる2021年〜2022年となるかもしれません。

<ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)による、am8 NFTアート作品の解説>

artとmusicを融合する東京発のクリエイティブ・ユニットam8。出品された、計7曲で展開されるリミックスプロジェクトでは“am8 killed by シリーズ”をテーマに、フィジカルの世界=“この世”、クラウドの世界=“あの世”として他者のクリエイティヴが介在するリミックスになぞらえ、自らをトリビュートしていく。80年代と現在を結びつける懐かしくも新鮮なレトロフューチャーな音世界。たゆたうように儚くも優しいメロディー。様々なクリエイターと再構築する、今の時代性を感じる絶妙なるビートセンスによる多様性ある解釈の妙。楽曲に応じて表現される、鮮烈な世界観が伝わるヴィヴィッドなアートワークもインパクトが強い。

今回、作品購入者へは世界初!?の試みとして、ストリーミングサービスのフィーの一部が期間限定で分配される。“応援経済”という言葉もあるが、アーティストを自分ごととして直で支援できる、購入者=コモンズオーナーと表現者をつなぐ“NFTアート作品”というデジタルアート最前線の仕組み。ファンであれば夢のようなチャンスであり、目利き/耳聴きリスナーにとっても、その才能を活かせるまたとない機会だろう。NFTが付与された1点モノのデジタル音楽作品を所有する、新たなるエンタテインメントが2021年、もっともアーティスティックなクリエイティブ・ユニット、am8からはじまっていく。

https://dot-mura.com/product-list?page=1&artist=01FJXHCX3CRQFFADXNSPX1C7T7

<ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)による、小室哲哉(イノフェス )解説>

「Hills Roppongi」とタイトルされ5つのナンバリングが施された楽曲は、パンデミックに揺れる2021年10月10日、デジタル・クリエイティブフェス『J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2021』会場である六本木ヒルズアリーナでの生演奏(もしくはテスト制作用)を記録した作品だ。制作方法はCGを軸としたイメージ映像データを小室哲哉は“可視化した波形”と捉え、シンセサイザーによって即興でサウンドを構築していく。“映像ありきのサウンドトラックではないところがポイント”だ。宇宙的な壮大感と心地良さというアンビバレントな響き。この日にしか生まれなかった揺らぎが奏でられていく。

今回、ヒルズ会場で奏でられた2曲(#4/#5)、そしてTETSUYA KOMURO STUDIOで事前にテスト制作された幻の3曲(#1/#2/#3)の計5曲をNFTアート化する。落札者は音源データはもちろん、会場で投影されたイメージ映像がギフトされ、本作品は“自身のYouTubeなどで公開し、収益化プログラムを活用した収益化が許諾される”予定だ。音楽家と購入者であるコモンズオーナーというダイレクトな距離感の近さを感じられる、UGCが話題となる音楽シーンにとって画期的な試みだ。まさに、デジタル音楽シーンのパイオニアである小室哲哉による、次世代音楽家へも向けられたチュートリアルになりそうだ。

https://dot-mura.com/product-list?page=1&artist=01FKGBH5KA81K600W7BANS4Q5D

音楽領域に特化したNFTマーケットプレイス.mura(ドットミューラ)

https://dot-mura.com