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SOMETIME’S、サブスクやYouTubeで注目の次世代2人組ユニットとは?

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
photo by SOMETIME'S

●ソウルフルな歌声と高い演奏力を伴うサウンド・メイク

 King Gnu、Official髭男dismの圧倒的ブレイク以降、日本の音楽シーンは変わった。ストリーミングサービスの浸透によるシンクロニシティもあったかもしれない。“楽曲力”によって評価され、“リスナーとの信頼”を築き上げてきたアーティストに大きな道が開けた。その2つの力が拡散力となったのだ。

 そんな中、注目したい新しい才能がいる。ヴォーカリストSOTAとギタリストTAKKIによる2人組ユニット、SOMETIME’Sだ。

ヴォーカリストSOTA、ギタリストTAKKI:photo by SOMETIME'S
ヴォーカリストSOTA、ギタリストTAKKI:photo by SOMETIME'S

 2017年よりライブ活動を開始。6月、初の音源リリースとなった1stデジタル・シングル「Honeys」がJ-WAVEのチャート番組『TOKIO HOT 100』にランクインし、各種ストリーミングサービスでも人気プレイリストにリストインが続いている。

 1970~80年代の日本のポップスの黄金期を受け継ぎながら、ソウル、R&B、ロックなどのエッセンスを加えた音楽性。ソウルフルな歌声と高い演奏力を伴うサウンド・メイクが特徴だ。YouTubeでの再生回数も、まだ無名のニューカマーながら異例の50万再生を突破している。

●仕事の帰り道にこんなメロディーが流れていたら

 そんなSOMETIME’S が7月31日に2ndデジタル・シングル「Take a chance on yourself」をリリースした。

 ライブでの人気チューンであり、耳に残るメロディアスにたゆたう極上のポップセンスが心地よい。本作は、ブラス隊に加え、ピアノサウンドを取り入れたナンバーに仕上がっている。サーフ系のレイドバック感、思わず歌いたくなる絶妙な言葉の乗せ方、ヴォーカリゼーションが絶妙だ。Nasty Men$ahが制作した、彩りがポップ・アートなミュージックビデオも見どころとなっている。

 「『Take a chance on yourself』は、僕がメロディーを持ってきて。TAKKIが歌詞を書いて。曲が出来てから実は2年以上経っているんです。これも前の「Honeys」もリリースにあたってリアレンジしているんです。なんていうか、仕事の帰り道にこんなメロディーが流れていたらいいんじゃないかなって思ったんです。最初はピアノとドラムだけで作って。」(SOTA)

 「もともと、サウンド的にもグルーヴ的にもいなたかったんです。サウンド的にはそうでもないんですけど、若干ヨーロッパっぽいなって印象をSOTAからもらったデモで受けて。それをモダン化しようとしましたね。Aメロで歌い回しを早くしてみたり、ラップまではいかないんですけど意識的に韻を踏んでみたり。なるべくフランクに遊べる音楽にしようと思いました。」(TAKKI)

●初期衝動の良さが残っている感じはします

 まだ2曲しか世に楽曲を発信していない2人組ではあるが、「Take a chance on yourself」が持つヒット感ある楽曲センスに可能性を感じた。気持ちが高揚する魔法めいた言葉の節回しの秘密を聞いてみた。

 「もともと、サビメロがいいなって作ったんです。で、歌い回しを適当な英語でデモであてて。その、いいなって思っていたメロディーの部分は言わなくてもTAKKIがうまく残して歌詞を入れてくれるんです。初期衝動の良さが残っている感じはしますね。」(SOTA)

 「歌詞を書く際、SOTAが歌いやすいようにというか、歌いたくなるような詞を乗せるのが重要だと思っています。そこでいえば、曲のメッセージ性やストーリーは、その次って感じかも。文字数や英語の子音だったり、終わる母音にこだわっていますね。」(TAKKI)

●サブスクで聴いてもらえるリスナーを増やしていきたい

 意識的に構築されていくSOMETIME’S流のポップセンスの方程式。これが、楽曲を耳にして気持ちのいい秘訣なのかもしれない。ストリーミングサービスの台頭、どんどん移り変わっていく2020年、音楽シーンについても聞いてみた。

 「トレンドは意識しつつも、移り変わりが早すぎますよね。でも、僕らはR&Bやソウル・ミュージックだけをやりたいワケじゃないんですよ。サウンド的な流行もアンテナ張りながら、アレンジなどこだわっていきたいですよね。個人的には今のトレンドのサウンドって好みではないんですよ。時代と葛藤している気持ちが今はありますね。」(TAKKI)

 「今はライブができないので、曲作りや制作して、サブスクで聴いてもらえるリスナーを増やしていきたいですね。TAKKIとは、お互いにライブの経験が長いんで、そこは染み付いているものがあるので、それは”時”が来たら盛り上げていきたいです。」(SOTA)

 そして、その”時”=タイミングは思ったより早くやってきた。8月14日20時〜、先ほど『SOMETIME’SオフィシャルYouTubeチャンネル』から配信された初の無観客オンラインライブでは、コロナ禍の中、“サウンド”はもちろん、“カメラワーク”、“照明の魅せ方”など、いかに臨場感があり、距離感の近いライブを届けるかにおいて多くのチャレンジが垣間見れた。楽曲タイトルを常に表示してくれたのも好印象だった。アーカイヴとして1週間チェックできるのでぜひ体感して欲しい。

そして、早くも8月28日に3rdデジタル・シングル「I Still」がリリースされることが発表された。引き続きSOMETIME'Sの動向に注目していきたい。

オンラインライブ『SOMETIME'S PRESENTS 「YouTube Streaming Live」 』

▼配信URL(アーカイヴあり)

※視聴期間:8月21日まで

SOMETIME’S オフィシャル・サイト

https://www.sometime-s.com

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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