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もさを。初配信曲がランキング1位。瑛人やRin音に続く“3文字系”シンガー、新たなヒットの兆候

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
Photo by もさを。

●TikTokで人気TikTokerらにカバーされバズる

2020年、音楽シーンに新たな変化が起きている。注目したいのがLINE MUSIC『SONG TOP100』ランキングで可視化される新しいアーティストとの出会いだ。

ここ最近でも、瑛人やRin音、りりあ。など、TikTokで人気TikTokerらにカバーされ、“カップル動画”、“ダンス動画”、“弾き語りカバー”などでバズったことをきっかけにYouTubeでの再生数が急上昇、LINE MUSICなど、ストリーミングサービスのランキングやプレイリストで発見され、大ヒットする楽曲が続出している。

●インディーズで活動、年齢や出身も非公開

そんななか今週7月27日、リスナーによる音源化希望の声が殺到しリリースされた、シンガーソングライターもさを。「ぎゅっと。」が話題だ。

Photo by LINE MUSIC
Photo by LINE MUSIC

すでにLINE MUSIC『リアルタイムチャート』、『デイリーチャート』、『BGM&着うたTOP100』などで1位を記録。『Spotify Japan急上昇チャート』にもリストインしている。

もさを。は、インディーズで活動し、年齢や出身も非公開、顔出しもしていない。しかしながら、日常感溢れる肩の力の抜けた、ほんわか暖かみのある優しい歌声が人気の理由だ。

注目ポイントは歌詞の魅力。女子目線で歌われるなか、“私”と“あたし”を使い分けることで、“私”が自分の気持ちで“あたし”が彼に対する気持ちを代弁している。ちょっとした漢字の使い分け方、言葉の使い分け方へのこだわりがグッとくるのだ。

歌詞へのリンク:もさを。「ぎゅっと。」

●10~20代が共感する“3文字系”シンガーの共通項

なお、ボカロ文化圏から派生した、先行して活躍を続けるヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに。、YOASOBIが名前の中に“夜”を冠しているからか“夜好性”と呼ばれているように、瑛人やRin音、りりあ。、ひらめ、まつり、そして、もさを。は、読み方で言えば“3文字系”とくくれるかもしれない。

TikTok でバズり、SNSで自ら伝え、ファンと交流し、YouTubeやストリーミングサービスによって音楽を届ける。温かみのあるアコースティックなサウンドで、透明感のある歌声を持ち、10~20代が共感する甘くせつない歌詞が魅力など、“3文字系”シンガーには共通点がある。

かつてニューカマー・アーティストは、レコード会社やプロダクションによってライブ現場やマスメディアを通じて登場してきたが、2020年以降は、TikTokやLINE MUSIC、YouTube、Spotify、Apple Musicなど、リアルタイムランキングやプレイリストでの動向をきっかけに頭角を表す次世代シンガーが増えそうだ。

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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