HKT48、最新シングル「3-2」が1位へ。個の連帯であることを宣言する新境地ナンバー

HKT48:Photo by Mercury

●デイリーシングルランキングで1位を獲得

福岡市を拠点にしたアイドルグループHKT48が1年ぶりに13枚目となるシングル『3-2』(2020年4月22日発売)をリリースした。これまでのHKT48にはなかった、凛としたシリアスにせつないラブソングだ。4月21日付オリコン・デイリーシングルランキングで1位を獲得したことで話題だ。このまま週間でも1位となれば、デビューから13作連続オリコン・ウィークリーチャート1位記録を更新することになる。

ストリングスとシンセ・メロディーが織りなす、せつなき感情を刺激するヒリヒリとした美しさ。メンバーひとりひとりが持つ様々な色のリボンが1本の旗となる、ミュージックビデオにおけるエモーショナルな高揚感。グループでありながら多様性を尊重する個の連帯であることの宣言のようにも感じた。

●今の時代アイドルはどんなメッセージを、どんな表現へ向かうのだろうか

疾走感溢れるせつなポップチューンに仕上がった「3-2」。歌詞では、自分と親友と親友の彼女。恋愛における心の移ろいを繊細にあらわした三角関係を表現している。スピード感に掛け合わされる緊張感。“計算じゃ合わないよ 僕たちの運命”というパワーワードが耳に残る。強い女性像を感じさせる笑顔のみえない、意志の強さを感じるミュージックビデオも異色だ。ダンスのコリオグラフ、振り付けにも新境地を感じたのだ。

本作は昨年春、圧倒的人気と国民的知名度を誇った指原莉乃卒業後、そしてAKS(現・株式会社Vernalossom)から新会社 株式会社Mercuryへの運営会社移行後初の作品となる。HKT48のシングルとして、前作からの発売間隔がもっとも長い作品となった

シングル『3ー2』:Photo by Mercury
シングル『3ー2』:Photo by Mercury

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、この春、世界は“コロナ以前~コロナ以後”と一気に変わってしまった。こんな時代にアイドルはどんなメッセージを、どんな表現へ向かうのだろうか。これまでだったら当たり前であった握手会や観客を招いての劇場公演は現在の状況が続く限り当面は難しいであろう。

そこで、HKT48はメンバーの上野遥による発案で2月27~29日にかけてレッスン場から、手作り感とファンへの愛が溢れる「はるたん先生主催公演」をネット中継。さらに、配信限定による無観客での劇場公演を3月25日から31日まで開催した。無人の劇場の座席にファンのメッセージカードを並べる等、このタイミングでしか成し得ない奇跡のステージとなった。

https://www.dmm.com/lod/hkt48/

ツイッターのハッシュタグで募集した質問をMC中にタブレット端末を使いながらリアルタイムに答えるなど、新たな演出もあった。こうして迎えた待望の新曲のリリースだ。

また、『医療・介護関係者や私たちの命を支えてくれる全ての皆さんへ感謝の拍手を贈る』#FridayOvation という活動に賛同し、YouTubeやTwitter等に動画をアップするなど社会動向と連動した試みも行なっている。これもまた、博多という九州での地域を大切にするHKT48ならではの在り方だ。

HKT48は、福岡ソフトバンクホークス株式会社が、福岡PayPayドーム敷地内に開業予定のE・ZO FUKUOKAに専用劇場のオープンを予定し、より地元に根ざした活動が期待されている。

●「3-2」、グループとしての独り立ちを想起させるタイトル

本作の作詞はおなじみの秋元康、作曲は2017年12月に家入レオ「ずっと、ふたりで」で、第59回日本レコード大賞作曲賞を受賞した杉山勝彦。「3-2」へ参加したHKT48選抜メンバーは16名。4期生、北海道出身で圧倒的存在感をみせる運上弘菜が、シングル表題曲において初のセンターポジションを担当している。

【13thシングル「3-2」選抜メンバー】

運上弘菜、神志那結衣、田島芽瑠、田中美久、地頭江音々、豊永阿紀、松岡菜摘、松岡はな、松本日向、 村重杏奈、本村碧唯、森保まどか、山下エミリー、渡部愛加里、上島楓、水上凜巳花

タイトルからは、歌詞のままの恋愛関係だけで無く、シンプルな引き算に込められた意味がファンの別の妄想も掻き立てる。もしかしたら、言わばHKT48の父と母=両親(のような存在)であった指原莉乃や劇場支配人に向けられたメタファーという側面もあったのかもしれない。残る1とは、現HKT48を指すのだろう。“2人の支配(人)からの卒業”。指原卒業を乗り越え、新会社として独立、グループとしての独り立ちも想起させるタイトルだ。

シングルには表題曲「3-2」に加え、オールディーズな世界観を醸し出すダンスチューン「おしゃべりジュークボックス」(通常盤 TYPE A、通常盤 TYPE B)、スパニッシュなテイストを彷彿とさせる歌謡ナンバー「キスの花びら」(通常盤 TYPE A)、パワフルにロッキンかつダンサブルな「How about you?」(通常盤 TYPE B)、青春パンク調でゴキゲンなロックソング「青春の出口」(劇場盤)も収録される。

さらに、東京オリンピックの日程が延期されたことを受け、2021年夏の開催日程見直しが検討されている、『第19回FINA世界水泳選手権2021福岡大会』、『第19回FINA世界マスターズ水泳選手権2021九州大会』のPRサポーターにも就任したHKT48。「3-2」は、引き算の中でも”意志”を持って前へ進む自らを、挑戦する人たちを、鼓舞する楽曲とも捉えられる。

2020年、HKT48の新たな挑戦を注目しつつ、新センターの旗を掲げる運上弘菜へエールを贈りたい。勇気をもらえるナンバーだ。

HKT48 オフィシャルサイト

http://www.hkt48.jp