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女子プロレスラー 乳がんステージIVからの挑戦~2017年“卒業”の春~

藤村幸代フリーライター

4月7日、女子プロレスラー“卒業式”を迎える

乳がんステージIVと闘う女子プロレスラー亜利弥'(ありや)の引退興行が明日、4月7日、東京・新宿フェイスで開催される。

「がんと闘う人たちとエール交換しながら、社会に向けて何かを発信していきたい」という新たな目標を見つけた。明日の引退興行は、20年間のプロレスラー人生に区切りをつけ、次のステップに進むための、いわば“卒業式”でもある。

1月31日の引退興行開催発表会見から今日までのおよそ2ヵ月間、亜利弥'は文字通り「奔走」の日々を送った。

チケットの手配から出場選手へのオファー、協力店舗を回りポスターの掲示を依頼、さまざまなプロレス団体の快諾のもと、会場でチケットを販売……体調をみながら、トレーニングの合い間を縫って駆け回った。

ステージIVで絶好調!なんてない

体調がすぐれない日は予定をキャンセルすることもあった。ヒザに溜まった水を注射器で抜くときは、激痛にうめいた。状態は昨年より落ちついているが、頸椎、肋骨、肺、リンパ節などに転移するがんと向きあう日々は、周囲の想像をはるかに超えて厳しく、難しいものがある。

「ステージIVで絶好調!なんてないし

具合悪い悪い!と言って生きるか、

今日は普通!と思い込んで生きるか。

奥は深くて

私が見栄っぱりなだけかもしれないですが

これからも出来るだけ強がって

生きていきたいと思います(*^^*)」

(亜利弥'オフィシャルブログ「感謝・感激・雨・亜利弥'☆彡」2月12日より)

昨年3月、満開の夜桜の下で。2度目の桜もしっかり見届けるつもりだ
昨年3月、満開の夜桜の下で。2度目の桜もしっかり見届けるつもりだ

ゆかりの新旧レスラーが集結

頑固で強がりだけれど、誰よりもひたむきな亜利弥'の人柄を知る仲間たちが、今回の“卒業式”を盛り上げる。

チケットやポスター、会場で販売するTシャツは、すべて親しい友人たちがデザインしてくれた。自身も子宮頸がんを克服した経験を持つプロレスラー、ミス・モンゴルこと上林愛貴(世界プロレス協会)は、亜利弥'の体調を気づかい雑事を引き受けてくれた。後輩の元レスラーは、がん封じの神社を訪ね、病状の回復と大会の成功を祈ってくれた。

引退興行には亜利弥’と縁の深い新旧レスラーが多数集結し、引退興行を盛り上げる
引退興行には亜利弥’と縁の深い新旧レスラーが多数集結し、引退興行を盛り上げる

プロレスラー20年生の卒業式にふさわしく、今大会にはプロレスの師匠、ジャガー横田(ディアナ)や地元・和歌山の同級生、田中将斗(ZERO1)、かつての同志で米国在住の坂井澄江(ROH/WHO)をはじめ、亜利弥'にゆかりの新旧レスラーたちが、男女の別なく、団体の垣根を超えて集結する。

参戦が決定した2年連続女子プロレス大賞受賞の紫雷イオ(スターダム)は、昨年1月の亜利弥’20周年興行に観客として来場してくれたことから、縁がつながった。

絆で結ばれた総勢30名に迫るプロレスラーたちに見送られ、彼らが引き上げるロープをくぐり、亜利弥’は必ず自分の足でリングを下りようと決めている。

「このまま転移が進めば、おそらく桜は見られないでしょう」と主治医に余命を告げられたのは一昨年前のことだ。余命宣告後、最初の桜は昨年の3月末、しっかりと見届けた。

2度目の桜は亜利弥’の“卒業式”を待ちわびていたように、今が見ごろとなった。最後の散り際まで見届けた先には、新しい人生が待っている。

【関連記事】

女子プロレスラー 乳がんステージIVからの挑戦〈前篇〉

女子プロレスラー 乳がんステージIVからの挑戦〈後篇〉

「必ずがんを叩きのめそう」先輩北斗晶からの手紙

桜の季節の終わりに~女子プロレスラー 乳がんステージIVからの挑戦~

余命宣告を超えて~女子プロレスラー亜利弥’が4月の引退興行を決断~

【4月7日 亜利弥’引退興行 対戦カード】

・3WAYマッチ

鈴木鼓太郎(フリー)VS佐野直(プロレス佐野魂) VS怨霊(66)

・『便利屋親孝行プレゼンツ』シングルマッチ

伊藤薫(ディアナ)VSドレイク森松(ガッツワールド)

・変則ミックス度タッグマッチ

ジャガー横田(ディアナ)&ミス・モンゴル(世界プロレス協会) VS くいしんぼう仮面(フリー)&賀川照子(西口プロレス)

・シングルマッチ

ダンプ松本(フリー) VS 藪下めぐみ(フリー)

・シングルマッチ

紫雷イオ(スターダム)VS坂井澄江(ROH/WHO)

・6人タッグマッチ

田中将斗(ZERO1)&藤田ミノル(フリー)&木藤裕次(ASUKA PROJECT)

VS

葛西純(FREEDOMS)&政宗(フリー)&木高イサミ(BASARA)

・メインイベント 時間差バトルロイヤル

ジミークネスJ.K.S.(ドラゴンゲート)、ケン片谷(CMA東京)、田村和宏、唯我、土方隆司、亜利弥'ほか

【亜利弥’引退興行 詳細】

ALIYA’ THE FINAL

〈Thank's a million...Lots of love〉

~数えきれない感謝と沢山の愛を込めて~

【日】2017年4月7日(金)

【時】開場18時 開始19時

◎チケット料金

最前列 \10000

カウンター席 \10000

S席2.3列目 \8000

A席 \5000

当日\500 up

※ドリンク代金別途\500

◎チケット発売所・お問い合わせ

・亜利弥' The Final 事務局

aliya.the.final@gmail.com

(070-6408-5078)

・東京新聞赤羽店天野販売所

・チャンピオン

・スタンリー

・水道橋広島お好み焼き おっこん

・参戦各選手

フリーライター

神奈川ニュース映画協会、サムライTV、映像制作会社でディレクターを務め、2002年よりフリーライターに。格闘技、スポーツ、フィットネス、生き方などを取材・執筆。【著書】『ママダス!闘う娘と語る母』(情報センター出版局)、【構成】『私は居場所を見つけたい~ファイティングウーマン ライカの挑戦~』(新潮社)『負けないで!』(創出版)『走れ!助産師ボクサー』(NTT出版)『Smile!田中理恵自伝』『光と影 誰も知らない本当の武尊』『下剋上トレーナー』(以上、ベースボール・マガジン社)『へやトレ』(主婦の友社)他。横須賀市出身、三浦市在住。

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