6月4日、民主化を求める学生らを武力で鎮圧した天安門事件から32年になります。事件の節目となる日、多くの関連報道が世界中で行われる中、Googleの脅威分析グループに所属するShane Huntley氏の次のツイートが波紋を広げています。

 マイクロソフトが提供するサーチエンジンのMicrosoft Bingで"tank man"と検索しても、画像検索で画像が一切表示されないことを示すスクリーンショットを提示し、マイクロソフトのBrad Smith社長に説明を求めています。

 "tank man"と言えば、「戦車男」、「無名の反逆者」とも呼ばれる、天安門事件の最中に戦車の隊列を1人で遮った男性のことで、天安門事件を伝える写真・映像の中でも最も知られているものです。それが何故かBingの画像検索で表示されません。中国で検閲が行われていることは周知のことですが、Shane Huntley氏はアメリカから検索しても表示されないことを疑問視しています。

 筆者も日本からBingで"tank man"の検索を行いましたが、画像の検索結果はShane Huntley氏のツイート同様非表示でした(日本時間5日午前5時30分現在)。なお「無名の反逆者」と日本語で検索すると天安門事件の画像が表示されましたが、「戦車男」では画像こそ表示されるものの無関係の画像ばかりで、100枚ほど確認しても天安門事件の画像は見つけられませんでした。

 一方、"tank man"でも画像検索以外はWikipediaの「無名の反逆者」の記事が表示されるなど意図的な排除は窺われません。”tank man"の画像検索に検閲かそれに類するものが働いているようです。

日本からの
日本からの"tank man"の検索結果

 イギリス経由で検索をかけても同様で、Bingでは世界的に"tank man"の画像を表示しないようになっているようです。なお、Googleでは画像検索は問題なく表示されています。

 これが技術的な問題によるものでなければ、中国向けの検閲が全世界的にBingで行われていることになり由々しき問題となりますが、これを執筆している日本時間5日5時40分時点でマイクロソフト側からの声明は確認されていません。

6月5日11時10分追記:Bingでも"tank man"で画像が表示されるようになったことが確認されました。しかし、Google画像検索と比べて、天安門事件と関係無い画像が多く出ることが指摘されており、これがアルゴリズムの違いによるものか、検閲等が働いているかは不明です。また、Brad Smithマイクロソフト社長によるShane Huntley氏への返信は確認されていません。

6月5日11時34分追記:マイクロソフトの広報担当者はカナダの日刊紙、トロント・スター紙に対し、「偶発的なヒューマンエラー」によるものだと説明したと報じられています。(当該記事リンク