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むしろオンラインで良かった…「コロナ就活」に素早い対応を見せるZ世代が逆に困っていることとは

道満綾香Z世代のメディア「Z総研」アナリスト

新型コロナウイルス感染拡大によってさまざまなものをオンラインで行うようになりました。

この情勢の中で、就活もオンラインに移行したものの一つです。

一次面接から最終面接まで全てオンラインで行う企業も多く、入社してもなおリモートワークで、なかなか会社の雰囲気が掴めないというZ世代も多いと思います。

そんな新たな就活に企業も就活生も翻弄される中、今年就活を迎えた大学4年生はどのような就活を行ってきたのでしょうか。今回は現役の大学4年生2人にインタビューを行いました。(本インタビューは2021年7月29日に行われたものです。)

ーー昨年もそうでしたが、今年の就活も新型コロナウイルスの影響で選考やインターンが全てオンラインで行われるなど、企業の方と直接会わずに終わるということが多々あったかと思います。

このコロナ禍の就活で大変だったこと、逆によかったことなどありますか。

梶山:特に大変だったことはないかなと思います。現地に行く必要がなく、交通費も移動時間もかからないので、その分他の企業分析に時間を回せたり、時間を有効活用できてとてもよかったです。

悪いところを強いて言うなら、会社の雰囲気が分かりづらかったかなという部分はあるかもしれないです。

それこそすでに社会人の友人はリモートで働いている人がほとんどですし、リモートワークの方が時間を有効活用できていい、というのを実際に働いている人から聞くと、自分が働き出した時もリモートだろうし、それならオンライン就活も良いのかなって思います。

後藤:自分もオンラインに変わったことで時間を有効活用できたなと思います。会社説明会などをオンラインで開催してくれたのは非常にありがたかったです。

就活を通して、オンラインでやることが当たり前でオフラインで接する機会が少なかったので、比較もほとんどせずスムーズにオンライン就活に馴染めたと思います。

ーー最初からオンラインでやることが当たり前だったからこそ特に不自由を感じることもなく順応できたのですね。 内定が決まったあとに内定式や歓迎会が開催されず、同期やこれから一緒に働く先輩たちに直接会う機会がないかもしれないことに不安は感じていますか?

梶山:もうそれが当たり前だと思っているので特に何も思わないですね。

いくらでも連絡手段はありますし、会おうと思えば少人数で会えると思うので。むしろ自分と気の合う人と関われればいいのでプラスに考えてます。

自分と反りの合わない人とはオンラインだけでの交流で済むので、ストレスも減りそうですよね。

後藤:自分は逆に人に会いたいタイプですね。

僕の場合は新型コロナウイルス感染拡大前から社会とインターンで接点を持たせてもらっていたので、オフラインで接していた頃を知っている分比較してしまうところはありますね。もちろん無駄だなと感じる時間はたくさんありましたが、今やその無駄な時間でさえも愛おしいというか、後から考えるとその時間も大切なものだったのかもと思いました。

オンラインは非常に便利で、助かる部分も多いですが、人と会いたいタイプの僕にとってはオフラインでの交流も重要だと思います。

写真はイメージ
写真はイメージ写真:アフロ

ーーオンラインの恩恵は受けつつ、オフラインの良さも損なわず接していきたいという考えなのですね。

オンラインで面接をしているときに、画面越しで目が合わないというか、何か読んでいるのかな、と感じることがたまにあるのですが、学生の方からするとどうなのでしょうか?

梶山:みんなカンペは作ってます。

今社会人1年目の友達は、「カンペを作っていなかったらこの会社には受かっていなかったと思う」とも言っていました。 作るのはもう当たり前で、画面に置けば画面上に映る相手の顔を見ているように見えるじゃないですか。

ーー確かにそうですね。他にオンライン面接特有の対策はありましたか?

梶山:人事を担当している人で、部屋が汚いと見た瞬間に嫌になってしまうと言っている人がいたので、そこは気をつけるようにしています。また、ある選考では自分の部屋にあるものを使って自己PR をしたことがあります。

例えば、「この本が好きです」という紹介や、「普段からこの化粧品を使っているんですけど」というアピールは、家にいてすぐ手が届くところにものがあるからこそできるんですよね。実際に面接官の方から「家にあるものについてレポートしてください」というお題が出て、田中みな実さんの写真集を使いました。

ーー部屋にあるものを使ったPRというのはその人の為人がよりわかる気がしますね。家にあるものを使った選考は当たり前になりつつありますか?

梶山:それこそグループワークの選考で使っている人もいました。

何か企画を考えてくださいというような選考だったときに、QRコードが描かれたTシャツを企画した人がいて、実際に実物を身につけて見せていました。

ーーそんな見せ方もあるのですね。

面接官側も、学生がカンペが用意できる状況だからこそ、その場で考えて実行してもらうようなお題を出して選考するといった必死さが垣間見えました。

後藤:大喜利みたいで面白いですね。

写真はイメージ
写真はイメージ写真:アフロ

ーーちなみに、就活とは別で、このコロナ禍で何か我慢していることや困ったことなどはありましたか?

梶山:それは結構ありますね。

祖父母と同居している友人に会いづらいというのはありますよね。やはり高齢者と同居していると感染リスクを上げないように人一倍気を使うと。だから自分は我慢しているのに他の人は外に出ていて羨ましいなって正直思ってしまうということも言っていました。

あとはオリンピックの話題を出していいかというのも迷いました。

やはりこのご時世なので、オリンピック反対派と賛成派、どちらでもいい派と分かれるじゃないですか。 誰かと話していても、この人はオリンピックに対してどういう意見を持っているのだろうかと考えると気軽にはこの話題を出せなかったですね。

ワクチンも同様です。

色々な情報が飛び交っていて打つ派と打たない派と分かれてますよね。 打つ派の人が打たない人に対して、「なんで打たないの?」と迫る人もいたり、逆に打たない派の人がさまざまな情報を集めてワクチンは危険なものだと主張していたりしています。

あとは、自分は若いからコロナにかかったとしても重症化しないだろうし、安全かどうかわからないようなワクチンなら打たないという選択をしている人もいます。ワクチンを打つ、打たないは個人の自由なのでどちらを選択するのもいいと思うのですが、それでバチバチするのは怖いので、結構気を使います。

ーーSNSの使い方も相まって自分以外の人を気にかけた行動を取ることが当たり前というのは若い人ならではの感覚だと思います。

後藤さんは何か変化などありましたか?

後藤:できなかったというより、大きな変化を感じた出来事がありました。

今ってどこに行くにも何をするにもマスクが必要不可欠ですよね、なので相手の口元が見えないことが当たり前になりました。

コロナ禍になってから働き始めたアルバイトを辞めたのですが、誰1人マスクの下の顔を知らずに辞めたことで、これがこれからのニューノーマルになるのかもと考えさせられました。

ーー確かにコロナ禍になって相手のマスクの下を見る機会はほとんどなくなりましたよね。改めて考えてみると変な感覚ですよね。

写真はイメージ
写真はイメージ写真:アフロ

新時代の就活が始まってはや2年。

現在就活をしているZ世代は、今までの就活を体験していないからこそ、コロナ禍のオンライン中心の就活が当たり前であり、斬新なスタイルを築いています。

家にあるものを使って選考をするなど、オンラインならではの工夫も気付かされました。

一方で、企業側と就活生のギャップはまだ埋められていない部分があると感じます。新時代の就活に企業側もまだ手探りな部分はあるとは思いますが、効果的に就活生へ情報を伝えていくことが重要です。

ここ最近新規感染者数は減り、緊急事態宣言も解除されていますが、コロナ禍がいつ終わりを迎えるのかはっきりとした見通しが立たない状況の中、オンラインでの就活やリモートワークはもはや当たり前でZ世代は柔軟に対応しています。

企業側もその柔軟さを見習い、新たな就活を作り出していくべきではないでしょうか。企業側が動かないと変えられない部分はたくさんあると思います。

就活生、企業どちらもいい関係であれるように私も今回のインタビューで伺った2人の意見を参考に新しいことを取り入れていこうと思います。

Z世代のメディア「Z総研」アナリスト

兵庫県出身。大学在学時に女子大生のマーケティングを目的としたTeamKJを設立し、プロデューサーを務める。大学卒業後はリクルートグループに入社。その後、スタートアップ数社でZ世代を対象としたPRやプロモーションを行い、数々のメディアに取り上げられるなど若者向けのアプリがブレイク。その後、Z世代のプロモーションやインフルエンサーのキャスティングを行う株式会社N.D.Promotonで取締役に就任。Z世代の研究メディア「Z総研」ではアナリストとして、ジェネレーションギャップが生まれるZ世代の「今」を取材している。

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