元横浜DeNAベイスターズ、東北楽天ゴールデンイーグルスの藤江均、契約完了!いよいよアメリカへ…

「高みを目指して…」。目をギラつかせている藤江均投手

■やっと届いた吉報!ランカスターとの契約を締結

先日、朗報が届いた。藤江均投手(元横浜DeNAベイスターズ東北楽天ゴールデンイーグルス)からだった。アメリカの独立リーグのチームと無事、契約できたのだ。

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NPBで戦力外になり、それでも野球が続けられる道を模索し、その場所をアメリカの独立リーグに求めた。希望していたチームは、アメリカの独立リーグの中でも最もレベルが高いとされているアトランティックリーグに所属しているランカスター・バーンストーマーズだった。1月に取材をした時点では「返事待ち」で、そこからなかなか進展していなかった。ところが知人を介して紹介されたエージェントによって話は急展開し、2月末にまとまった。(ここまでの話は⇒藤江均、アメリカへ挑戦!

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そのエージェントとはニューヨークに籍を置く「オフィス勝負」だ。プロスポーツ選手の代理人業、マネージメントなどを行っている。CEOを務める吉田大祐氏は、自身もかつてアトランティックリーグやユナイテッドリーグのチームに所属し、現ランカスターの監督であるブッチ・ハブソン氏(元ボストン・レッドソックス監督)の下でプレー、また一塁ベースコーチも務めた経験を持っている。ブッチ・ハブソン監督からは絶大な信頼を得ており、2009年に「オフィス勝負」を設立した際、強力なバックアップを約束してもらったという。

これまで様々な選手の代理人として、その橋渡しに大いに尽力してきた吉田氏。日本からアメリカ、またはアメリカから日本と、多くの選手がその恩恵を受け、活躍の場を広げている。

■実力とともに評価された人間性

実は本来であれば、藤江投手も正式なトライアウトを受けなければならなかった。しかしブッチ・ハブソン監督は吉田氏に全幅の信頼を寄せ、一任した。そこで吉田氏は藤江投手との個人面談を行った。

「まず新鮮だったのが、きちんとスーツを着てネクタイを締めてきたこと。好感が持てましたし、本気度が見えました」。当たり前ではないかと思うのだが、吉田氏によるとスーツではなくカジュアルな服装で現れる選手も少なくないそうだ。「だからといって、服装が全てではないです」と全否定するわけではない。しかし「実力だけでなく人間性も重視する」というポリシーを持つ吉田氏は、まず「時間をかけずに済むな」と“第一関門クリア”と判断した。

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次に「人の話を聞く姿勢であったり、目であったり…。また野球に対する思いですね」といったところがチェックポイントとなるそうだ。会話の中から垣間見える“覚悟“や“根性”も嗅ぎ取る。「アメリカというところは、自分の想像とは違うことも多い。思っていたより酷いこと、辛いこともある。差別…というより区別ですね。そういったことも往々にしてあります。その中で乗り切れるかということも、遠回しに質問して反応を見ました」。そして、吉田氏の“診断”は「そういうことに遭遇しても立ち向かえるな、と感じましたね」だった。ここでもクリアした。

もちろん野球の技術に関してはチェック済みだ。人間性もおメガネに叶い、即、合格となった。2月28日に「オフィス勝負」とエージェント契約を結んだ上で、その翌日、ランカスターとの契約が締結された。

■日本で初開催!アトランティックリーグとカンナムリーグのトライアウト

NPBで確固たる実績を持つ藤江投手だからこのような運びになったが、アトランティックリーグでは「プロ野球選手なりたい」「アメリカでプレーしたい」という夢を持つ人間に対して、広く門戸を開いている。通常は現地に渡ってトライアウトを受けることになるが、「オフィス勝負」の運営(主催・バトルエクサ)により今年、史上初めて日本でトライアウトが開催されることになった。

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3月10日、場所は大阪市南港中央公園野球場だ。アトランティックリーグのランカスター・バーンストマーズニューブリテン・ビーズの合同トライアウトで、それぞれブッチ・ハブソン監督スタン・クライバーン監督も来日し、逸材の発掘に目を光らせる。

受験資格は16歳以上で、上限はない。とにかく“やる気”のある選手を求めているそうだ。「日本人にとっては大きなチャンスです。アメリカで受けることを考えたら飛行機代や宿泊費もかからないですし、英語も必要ないですからね(笑)」と吉田氏。

また同日、同球場で午後からは、カナダ アメリカンリーグケベック・キャピタルスのトライアウトも行われ、同球団のパトリック・スカラビーニ監督も来日する。

吉田氏は言う。「落とすためのトライアウトではなく、できるだけ合格させたい」と。アメリカのトライアウトでは約130人が受験して次のステップに進めるのは3人ほどで、最終的な合格者は1人いるかいないかという狭き門だ。しかし今回は日本初開催ということで、4人の合格者選出を目指しているとのこと。

「メジャー挑戦のステップにもなる。それくらいの高いレベルを誇っています」と、吉田氏も胸を張る。「人間、やる気があれば何でもできる。本気で取り組めば形になる」。単身アメリカに渡り、夢を実現した吉田氏の言葉だけに、重みがある。

(詳細はこちら⇒[www.officeshobu.com オフィス勝負 トライアウト])

インターネットでの申し込みは8日までだが、現場では当日の1時間前までエントリーを受け付けている。

■野球人生のリスタート。より高みを目指して・・・

ここでブッチ・ハブソン監督と初めて顔を合わせる予定の藤江投手も、この日を心待ちにしている。「チャンスをいただけたので、やれる限りやる。一日一日が勝負なので」。契約は日本でのように1年ではない。結果が出なければ、即クビなのだ。

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しかし藤江投手の目指すところはそんなところではない。「『このリーグで長くやろう』ではなく、一日でも早くマイナー契約を取れるように」と、さらにその先に向かっているのだ。そして当然、マイナーの先にはメジャーがある。「やっている限りはチャンスがないわけではない。より高みを目指していきたい」と、言葉にも熱がこもる。

「その中で、野球を思いきってやりたい」。まだまだやれる。まだまだやり切っていない。藤江均の野球人生はこれからだ。