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侍ジャパンと対戦するメキシコ代表、監督を発表。「日本組」も参戦か

阿佐智ベースボールジャーナリスト
2015年プレミア12のメキシコナショナルチーム(写真:ロイター/アフロ)

 昨日、3月9,10日に大阪・京セラドームで行われる侍ジャパン強化試合のメンバーが発表されたが、対するメキシコは監督を発表した。

 今回のチーム・メキシコを率いるのは、元メジャーリーガーのダン・フィロバ。テキサス生まれの62歳は、1980年代に3シーズン、マリナーズ、アスレチックスで捕手としてプレー。この間、1981年からはメキシカンリーグでもプレーした経験をもつ。現役の大半はマイナー暮らしのいわゆる「ジャーニーマン」だったが、1993年にドスラレド・テコロテスで引退するまで、計7シーズンをメキシカンリーグで過ごし、指導者としても、計19シーズンメキシカンリーグのチームで監督を務め、1997, 2000, 2001年に名門、メキシコシティ・タイガースを優勝に導くなど、メキシコ野球に精通している。長いメキシカンリーグの歴史の中で、6人しかいない「1000勝監督」のひとりだ。彼は、メジャーリーグでも2015年から17年までワシントン・ナショナルズのブルペンコーチを務めている。

 すでにメキシコ代表のメンバー26人が発表されているが、これに加えて日本でプレーするメキシコ人選手が入りそうだ。

 今年からNPBでプレーするふたりのメキシコ人、クリスチャン・ビヤヌエバとジョーイ・メネセスは、それぞれ巨人、オリックスの一員としてキャンプを送っている。巨人入りしたビヤヌエバは、昨年はパドレスで110試合に出場し、20ホーマーを放っている。長打力不足がよく言われるメキシコ打線の中にあって中軸が期待されるだろう。

 一方のメネセスには、メジャー経験はなく、それまでは目立った成績を挙げていなかったが、2Aから3Aに昇格した昨年、一気にブレーク。それまで、2ケタホームランを打ったことがなかったにもかかわらず、一挙にホームラン23本を記録し、打点82と合わせて3Aインターナショナルリーグで2冠王に輝いた。各球団が目をつけていたところをオリックスが一本釣り、打線の起爆剤として期待されている。

 彼らと入れ替わりに、投手陣の目玉、メジャー通算109セーブのセルジオ・ロモとダニー・エスピノサがロースターから外れる見込みだ。昨シーズンは、レイズで25セーブを挙げるとともに、「オープナー」として5試合に先発するなどしたロモだったが、シーズン後FAとなっていた。ところが先日、マイアミ・マーリンズと邦貨にして2億7500万円の1年契約を結んだため、メジャーキャンプに合流した。ナショナルズなどで8シーズンのメジャー経験のあるエスピノサもメッツの春季キャンプに招待参加することになり、両者はフロリダでのトレーニングを優先することになったようだ。

メキシコでサマーリーグ、ウィンターリーグ合わせて245本塁打を放っているマニー・ロドリゲスだが、今回の日本遠征には参加しない模様
メキシコでサマーリーグ、ウィンターリーグ合わせて245本塁打を放っているマニー・ロドリゲスだが、今回の日本遠征には参加しない模様

 

 また、ウィンターリーグ、メキシカンパシフィックリーグでロモと同僚だった、メキシコで夏冬計245本塁打記録している強打のセカンド、マニー・ロドリゲス(キンタナロー・ティグレス)も、ウィンターリーグのチャンピオンシップでの故障のため、来日を見合わすことになる模様。彼らの代わりには、いまだ今季メジャー契約を結んでいないヨバニ・ガヤルド(レンジャーズ)、ホルヘ・デラロサ(カブス)の参加が見込まれている。

 メキシコ代表は3月5日に来日の予定。

(文中の写真は筆者撮影)

ベースボールジャーナリスト

これまで、190か国を訪ね歩き、23か国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆のほか、NPB侍ジャパンのウェブサイト記事も担当した。プロからメジャーリーグ、独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌に寄稿の他、NTT東日本の20周年記念誌作成に際しては野球について担当するなどしている。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020、24カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。2024年春の侍ジャパンシリーズではヨーロッパ代表のリエゾンスタッフとして帯同した。

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