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セルジオ越後、後のない日本代表への提言「4年間のサッカーを思い出し、リスクを冒して前へ」

浅野祐介OneNews編集長

20日にグループリーグ第2節のギリシャ戦を控える日本代表。グループリーグの初戦を落としたチームが決勝トーナメントに進出する確率は8.7パーセントという過去のデータから見ても、初戦を落とした日本にとってギリシャ戦は重要な一戦になる。

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コートジボワール戦の課題から導かれるギリシャ戦への提言を、セルジオ越後氏が語った。

「待ちに待ったブラジル・ワールドカップ。日本代表にとってその初戦は苦しいものとなった。1─2と点差こそ1点だけど、ただの敗戦ではない、精神的なダメージの大きい試合となってしまったね」

「4年間積み上げてきた攻撃的なサッカーは、まったく披露できなかった。一言で言えば、実力の差ということになる。それでも怯まずに前へ前へリスクを冒して出て行ければよかったのだけど、明らかに能力の高いコートジボワールの圧力に気圧され、守備に奔走させられることになってしまった。その結果、後半は足が止まり、日本の攻撃的なサッカーはますます表現できなくなった。本田圭佑の先制点は素晴らしかったが、それ以外は良いところのない、本当に残念な試合となった」

「しかし実力差をいかに埋めるのかが戦術であり、監督の采配だということを考えると、僕はやはりコートジボワール戦のザッケローニ監督の采配には疑問符がつく。負傷明けでギリギリ間に合った長谷部誠は、もともと90分保たないことが分かっていた。それは監督自身も認めている。しかし初戦の入りを考えた時に、彼を起用せざるをえないという判断になったわけだ。これは、メンバーを固定化してチーム作りをしてきた弊害だろう」

「左サイドで守備に穴を開けていた香川真司をギリギリまで引っ張ったのも解せない。終盤にはこれまで捨ててきたはずのパワープレー(前線に身長の高いDF吉田麻也を上げてロングボールを入れる)まで選択した。なぜここへきてそんな策を講じたのだろうか。これをやるなら、闘莉王なり身体能力の高い選手をメンバーに入れておくべきではなかったか。ザッケローニ監督にとって、これはW杯で指揮をとるデビュー戦だ。ゲームプランが崩れて、追い込まれてしまったのかもしれない」

「ただの敗戦ではない、というのはそういうことだ。ただし、まだ2試合残っているし、グループステージ突破の可能性が閉ざされたわけではない。次のギリシャ戦は、負ければ敗退がほぼ決定、引き分けでも厳しい状況で戦うことになるが、積み上げてきた4年間のサッカーを思い出し、リスクを冒して前に出ていってほしいね。このまま終わったら、この4年間のすべてが否定されることになってしまうよ」

ザックジャパンの「4年間のすべてが否定される」ことのないよう、ギリシャ戦では日本らしいサッカーでの勝利を期待したい。

OneNews編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAに所属。『ウォーカープラス』編集長を卒業後、動画の領域でウォーカー、レタスクラブ、ザテレビジョン、ダ・ヴィンチを担当。2022年3月に無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」をスタートし、同年9月、「OneNews」創刊編集長に就任。

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