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ツール・ド・フランス100回大会 大会前夜

宮本あさか自転車ロードレースジャーナリスト

ツールがコルシカ島へやって来た。のんびりとしたビーチバカンスのメッカに、分刻みのスケジュールを抱えたストレスいっぱいの5000人近い関係者が大挙して押し寄せてきた。いつもより賑やかなのは、100回大会の始まりだからであり、いつもよりも静かなのは、小島のせいである。普段はやって来ないような客人や、見慣れぬ顔をしたジャーナリストが、特別なスタートを目撃しようと浮き足立っている。一方で沿道のファンに人気のキャラバン隊は、一部しか海を渡らなかった。同じように、膨大な出費や移動疲れを避けるために、ツール本土上陸まではテレビ観戦を選んだファンやメディアもいた。

日本からはJ SPORTSが上陸! photo:Jeep.VIDON
日本からはJ SPORTSが上陸! photo:Jeep.VIDON

「選手にとっては、100回大会であろうがなかろうが、ツールはツール。戦い自体はいつもと変わらないんですよ」と、ユーロップカー所属の新城幸也選手は、さらりと言ってのけた。むしろ、彼にとってスペシャルなのは、日本チャンピオンジャージでフランス一周に臨めることなのだ。残念ながら、開幕2日前木曜日のチームプレゼンテーションには、栄光の日の丸ジャージは間に合わなかった。だって水曜日にジャージメーカー責任者とデザインを決定し、カナダにて超特急で製造し、それをチームメート(カナダ人ヴェイユー)の家族や彼女が手分けしてコルシカまで持ってくる……というのだから!

海辺を行く新城選手。本番では日の丸ジャージに。photo:Jeep.VIDON
海辺を行く新城選手。本番では日の丸ジャージに。photo:Jeep.VIDON

お楽しみのナショナルチャンピオンジャージは、もちろん、第1ステージのスタート地でお披露目されるのだ。(続く)

自転車ロードレースジャーナリスト

フランス・パリを拠点に、サイクルロードレース(自転車競技)を中心とした取材活動を行っている。「CICLISSIMO」「サイクルスポーツ」誌(八重洲出版)、サイクルスポーツ.jp、J SPORTSサイクルロードレースWeb等々にレースレポートやインタビュー記事を寄稿。

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