全豪オープンテニス/国枝慎吾の4連覇を阻んだ若手の台頭

1月27日に配信された各社ニュースの見出しに、「まさかの敗戦」「波乱」という言葉が並んだ。

オーストラリアのメルボルンで開催されている全豪オープンテニス。27日から車いすの部が始まり、男子シングルス3連覇中の第1シード・国枝慎吾(ユニクロ)が初戦で敗れたのだ。グランドスラムでは初の一回戦負けを喫したことになる。

国枝は過去にはシングルス107連勝という記録を打ち立て、パラリンピックも2連覇中と、その強さは誰もが認めるところだ。実は昨年12月の世界マスターズでも優勝を逃しているのだが、今大会は通算8度の優勝を誇る“絶対王者”として臨む相性の良い全豪だっただけに、より驚きをもって伝えられた。

国枝を倒した相手は、ゴードン・リード(イギリス)。世界ランキング5位につけている24歳のサウスポーだ。同6位で22歳のグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)とともに伸び盛りの若手選手として、存在感を見せ始めている。

実は3年前、2012年のロンドンパラリンピック後のインタビュー内で、国枝はこの二人の選手について、「間違いなくこの4年間でトップ8にずっと居る選手になる」と語っており、その実力をすでに認めていた。

実際に、彼らはじわりとランキングを上げ、今ではグランドスラム出場の常連となっている(車いすの部は、世界ランキング上位7名とワイルドカード1名の計8選手が参加できる)。

このインタビューの際、国枝はとりわけリードに対して期待と警戒心を口にしていた。

「僕は正直なところ、リードのほうが怖いですね。彼は左というのもあるし、パワーがすごくあって、サーブも、フォアもバックも、全部いい。ただ、いい意味でも悪い意味でも、粗い。これがもうちょっと年を重ねてくると、テニスも落ち着いてくるだろうし、まだ伸びていくと思う。僕は彼のことを買ってます」

それから3年が経ち、国枝のその言葉の通り、リードは確かな成長を見せていることを証明した。全豪の前哨戦ともいえるメルボルンオープンの決勝でも、敗れたものの国枝から第1セットを奪っている。最近のダブルスでは国枝とパートナーを組むことが多く、互いのプレーを熟知していることも影響しているのだろう。この勢いに乗って、どこまで飛躍するのか。今後の彼の活躍に注目が集まりそうだ。

なお、国枝とリードが組むダブルス準決勝は、28日に行われる。