休み明けに学校へ行きたくないのは「連休明けブルー」かも!?長期休み明けの子どもたちに注目して!

厚生労働省「人口動態調査」の調査票情報の独自集計

8月、内閣府の「自殺対策白書」にて、「18歳以下の子どもたちの過去42年間の日別自殺統計」が発表されました。それによると、一年で一番自殺の多い日は「9月1日(131人)」で、続いて新学期はじめの「4月11日(99人)」、4月8日(95人)、9月2日(94人)、8月31日(92人)となっています。

このような結果を踏まえ、「ストップいじめ!ナビ」は、夏休み明けのこの時期や春・冬休み明けの時期に注目して、「『連休明けブルー』対応のための緊急提言・メッセージ」を発信しています。

「連休明けブルー」対応のための提言

**子どものみなさんへ**

■伝えやすい人に気持ちを伝えてみませんか

休み明けに心配ごとや不安はありませんか?はっきりと伝えなくてもいい。なんとなく不安なことを、できる範囲でいいので、少しでも言いやすいと思える人に、気持ちを伝えてみませんか。

■言いづらい場合は「電話」もあるよ

家族や先生に言いづらかったら「チャイルドライン」(0120-99-7777・午後4時から午後9時まで)などにかけてみるのも手です。気持ちを話すことで、解決の糸口が見つかるかもしれないよ。

■「メモ」や「日記」を書いてみよう

誰にも言えなかったら、まずは自分の気持ち・不安などを「メモ」してみよう。「日記」みたいに書いても自由に書いてもOK。いざという時に、それがあなたにとって「大事な証拠」になるよ。

■あなたには助けてもらえる権利がある

どんなに「ひとりぼっち」と感じていても「自分はだめだ」と思っていても、あなたは、息をしたり、ご飯を食べたり、ゆっくり眠ったり、安心して過ごしたしたりしていいんだよ。そして苦しい時はSOSを出して誰かに助けてもらっていい。これを見ている時点で、あなたはすでに「生きていこうとする一歩」を踏み出していることに気づいてくれると嬉しい。

・子どもが相談できる相談窓口情報

・「あしたニコニコメモ」(メモと日記版)

**保護者のみなさんへ**

■長期の休み明け前後の子どもに注意してください

新学期前日や直前、新学期初日など、子どもの顔色や体調の変化など疲れや緊張、ストレスが溜まっていないか注目してください。特に登校が始まってから3日間は注目したほうが良いです。

■初日から無理に学校に通わせなくてもいい

もし、「明日から学校に行くのがしんどい」など「登校をしぶる」ような訴えがあったら、無理に初日から学校に通わせず、子どもの様子をしっかりとらえることからはじめませんか。

■休める場所を確保して、耳を傾けてください

本人が言葉にできなくても、まずは寄り添って耳を傾けてみませんか。また、衣食住を基本にして、安心して休める場所を確保してあげましょう。

■「チェックシート」を参考に、対応を考えてみませんか

子どもの不調のポイントをまとめた「チェックシート」を参考にしてみましょう。何かあったら、保護者のみなさんが信頼できる関係者へ相談することも考えてください。

■「第3者の相談先」を教えてあげることも大事

子どもは、なにか不安や悩みを抱えている時、親や先生に言いづらい、という場合もありえます。親としては少し不安かもしれませんが、チャイルドラインなどの電話やカウンセラー・ソーシャルワーカーなど、「第3者」につながっていくことも考えてください。子どもが一人で抱え込まずにつながれる情報を事前に伝えることも大事です。

・家族向けいじめ発見チェックシート

・保護者向け相談窓口情報

**教員・学校関係者のみなさんへ**

■新学期に楽しく・わかりやすい教室づくりを心がけよう

苦しさを感じている子どもは、前学年や前学期から、人間関係によるストレスを積み重ねていたり引きずっています。一時的に長期休暇で休息できても、新学期が近づく頃や新学期初日を迎えることは、当人にとってストレスフルで、息苦しく、つらい時期である場合があります。だからこそ、普段よりも楽しいクラスの雰囲気づくりや、授業づくりに心がけてください。宿題を出していない子、硬い表情の子どもがいたら、注意よりも、まず声をかけて、可能な限り話を聞くことが大事です。

■訴えがあったら、とにかく耳を傾けて寄り添って

子どもがなにかを訴えていたら、子どもが安心できる場所で、寄り添いながら話を聞く時間を確保することが大切です。大人側の価値観を押し付けずに時間をかけて耳を傾けることで、少しずつ奥底にある何かが見えてくる場合があります。また「連絡帳」などの書き込みにも注意しておくことも大事です。

■新学期前の様子を保護者と情報交換することも大事

体調が悪いなどの子どもがいたら、新学期前の様子を保護者などと相談することも大事です。周りとの連携を図りながら、子どもを見守っていきましょう。

■新学期から3日間は、特に子どもたちの様子に注目して

ただでさえ忙しい教職員のみなさん。だからこそ担任一人で抱え込まずに「いつもとどこか違う!」と思ったら、すぐにその情報を他の先生方と共有してください。子どもたちの状況を抱え込ませないことが、子どもを救う第一歩となります。

■学校内の他の教職員も注意してください

担任だけではなく、校長や養護教諭、カウンセラーなどが、学校内の子どもたちの様子に注目することも大事です。

■時に外部との連携も大事です

学校内だけではなく、日頃から学校が信頼できる第3者の電話相談先番号や相談先を情報共有することが大事です。それを新学期初日などに知らせることで、子どもたちの訴えをキャッチするきっかけが増えるかもしれません。できれば相談先情報を、生徒手帳などに貼り付けられるとなおOK。

■「いじめ防止法」に基づいたさらなる取り組みを

「いじめ防止対策推進法」に基づいた体制づくりができているか、再度チェックして下さい。特に学校内で組まれている「いじめ防止のための常設組織」の体制の見直しも大事になってきます。

・いのちの生徒手帳プロジェクト

**行政の方々へ**

■文部科学大臣みずから注意喚起を

内閣府の今回の調査分析が明らかになった今、学校現場だけではなく学校教育全体で関心を持ち、情報喚起していくことで、対策を進めるきっかけとなります。「子どもの自殺」に対して、文部科学大臣がみずから注意喚起するなどのアクションが必要ではないでしょうか。

■長期休み明けに対する具体的な対策を

夏休み開けだけではなく4月の新学期の始まりやゴールデンウィーク明け、冬休み明けなど「長期休み明け」が子どもたちの大きなストレスとなっていることを認識し、内閣府の調査結果(日別自殺統計)を踏まえて、さらなる背景調査や分析・対策を進めてください。

■中・長期的な取り組みをさらに進めてください

短期的な呼びかけだけではなく、中・長期的な取り組みもさらに大事になってきます。毎年定例で行われている「学校アンケート」の見直しや、日頃行っている対策の見直しを行い、改善を継続していくことが大事です。また「いじめ防止対策推進法」などの法律を周知徹底し、さらに追い詰められる子どもをうまないための対策・支援を進めてください。

・いじめ基本方針・自治体チェックリスト調査報告

**マスコミの方々へ**

朝日新聞やNHKをはじめいくつものメディアが今回の調査結果を取り上げています。マスコミのみなさんにも、このような調査結果を受けての注意喚起、情報の拡散を求めたいと思います。この時期だけではない、継続した形で報道をしていくことにも期待しています。 その際、下記にあるような「報道ガイドライン」に沿った報道が重要です(詳しくは「いじめに関する報道ガイドライン」をご覧ください)。

■最悪の状況から脱出することは可能であるというメッセージを報じること

■いじめなどが発生した場合の、具体的な解決手段・解決事例を伝えること

■子どもたちがアクセスする可能性を常に配慮し、支援機関などの連絡先を明記すること

・いじめ報道に関するガイドライン

特に今週から9月3日までの1週間、多くの学校が始業式を迎えています。すでに報道もされつつありますが、ぜひみなさまにはご協力いただけますと幸いです。

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「ストップいじめ!ナビ」

一向に収まることのない「いじめ問題」に一石を投じようと2012年秋に活動を開始したNPO法人です。メンバーは、弁護士、ジャーナリスト、自殺対策専門家、性的マイノリティ活動家、子どもの専門電話活動、不登校やフリースクール活動に携わる人など、様々な分野の専門家。それぞれが持つノウハウや社会資源を結集させて「いじめ問題」への具体策を提示・実現させていこうとしています。

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