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子ども1人にせめて3万円の児童手当を 新型コロナ対策1万円では少なすぎる

赤石千衣子しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長 
(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

児童手当受給の子どもに1万円給付でいいのか

政府は新型コロナウィルスにかかわる緊急経済対策として児童手当受給の子ども1人あたり1万円給付する方針だと報道されている。

https://www.news24.jp/articles/2020/04/05/06620502.html…

先に減収など経済的に厳しくなった世帯に申請主義で30万円という方針が発表された。

わたしたち、経済的に困っている子どもたちを応援しているNPOは、これまで児童手当の3万円程度の増額、そして高校生等奨学給付金の増額を訴え、署名活動を行い、3月30日、西村経済再生大臣に署名をお渡しした。

申請によらない一律の給付はすばらしい

今回の児童手当受給世帯に1万円の給付は一律・申請なしに現金給付を行うという意味で評価できる一歩である。

この英断に拍手をまず送る。

なぜなら申請主義では、情報を知らない人、自分が申請していいのだと思えない人、申請したくても役所にいけない人などさまざまな漏れが生じてしまうからだ。

しかし、児童手当子ども1人1万円は額が少なすぎる。

昼食代、教材費、衛生費の支出増

この間、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむはひとり親世帯のアンケートを行い、また1100世帯に米を送るなどひとり親と子どもたちの声を聞いてきた。

直近の4月のひとり親世帯211世帯アンケート調査では、暫定集計で約47%の世帯が収入が減る、と答え、7%の世帯が収入がなくなると回答。合計では54%が収入減となる。3月調査よりも収入減、無収入となる割合は高くなった。こうした傾向は今後も続くだろう。つまり、時間を追うごとに厳しい家庭が増えていく、ということだ。

また出費が増えている。

出費としては、3月の一斉休校からの子どもたちの昼食代がかさんでいる。そして、さらに子どものドリルなどの教材費や身体の遊びを確保するための費用(遊具)、さらにマスクや消毒などの衛生費がかかり、毎月1万円以上は増えていると思われる。

減収の世帯に申請で30万円。思い切った額ではあるが、申請では漏れてしまう家庭があるのが心配だ。

だからこそ、一律の申請によらない子育て世帯への給付がなによりも大切である。

それはいまフリーランスの休業補償に風俗関係を除くとされて、排除される風俗関係のシングルマザーなどの世帯にも届くという意味ですぐれている。

低所得の子育て世帯は思ったより経済的に厳しい

お米を送った家庭から、「お米がなくなりかけていたからほんとうにうれしかった」、「二食を三食にできる」、「雑炊じゃなくてごはんが食べられるね」など声が届いている。想定よりもずっと経済的に厳しい世帯があった。どきっとさせられた。

こうした厳しさを政府はわかっているだろうか。

申請にいく時間も、あるいは情報が届かない世帯にも現金が届いてほしい。

子どものいる世帯に今日食べる米もない、ということを防ぐためには、児童手当受給する子どもにせめて3万円をと訴えたい。

高校生には高校生等奨学給付金に上乗せを

さらに、児童手当は子どもが15歳までの支給である。

高校生もバイトが減り、あるいは昼食代がかさみ、大変な状況がある。

「子どものバイト代を家計にいれてもらっていたので生活が苦しい」という声もきている。

高校生等奨学給付金への上乗せをぜひお願いしたい。

しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長 

NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長。当事者としてシングルマザーと子どもたちが生き生きくらせる社会をめざして活動中。社会保障審議会児童部会ひとり親家庭の支援の在り方専門委員会参考人。社会福祉士。国家資格キャリアコンサルタント。東京都ひとり親家庭の自立支援計画策定委員。全国の講演多数。著書に『ひとり親家庭』(岩波新書)、共著に『災害支援に女性の視点を』、編著に『母子家庭にカンパイ!』(現代書館)、『シングルマザー365日サポートブック』ほかがある。

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