24時間ゲーム漬けの不登校息子が「明日こそ学校に行く」と親を喜ばす深層心理
文部科学省の調査によると、2024年、全国の国公私立小中学校で「不登校」と判断された児童生徒は過去最多の34万6482人(前年度比15・9%増)に。そのなかでも中学生の不登校者数は令和に入ってから倍近く増えている。 【写真】不登校の息子について実際に親が先生に宛てた連絡帳。親の切実な思いとは 令和5年、中学生の1,000人当たりの不登校児童生徒数は67.1%。小学生の不登校児童生徒数と比べて、約3倍だ。思春期特有のこころの変化や、自分の考えが確立されていくなかで友達同士の関係も変わってくるこの時期。親とのコミュニケーションにも変化が生まれてくる。 さまざまな環境で悩み苦しむ子どもと親を、NPO法人『福祉広場』代表の池添素さんは支えている。不登校や発達障害の子どもと親にかかわり続けて40年。親たちに「素さんがいたから私たち親子は生きてこられた」と感謝される。 池添素さんに子どもの不登校の現状についてジャーナリストの島沢優子さんが取材し、具体的なエピソードと共にお伝えしていく連載「子どもの不登校と向き合うあなたへ~待つ時間は親子がわかり合う刻」。第8回では、小学6年生の夏休み明けから学校に行けなくなった息子を持つ親、イクコさんについてお伝えする。「学校に行けるようにしてあげるのが親の責務みたいに感じていた」と語るイクコさん。息子の学校に前向きな言葉に喜ぶが、そこには息子のある心理が隠されていた。不登校児の親たちを勇気づけ、闇から救い出した池添さんの言葉とは。 池添 素(いけぞえ・もと) NPO法人「福祉広場」理事長。京都市職員として保育所や児童福祉センター療育課などで勤務した後、1994年に「らく相談室」を開設。2012年にNPO法人福祉広場へ移行し、相談事業を継続している。子育て相談、発達相談、不登校相談、ひきこもりや親子関係の相談など内容は多岐にわたり、年齢も多様な相談を引き受けている。著書に『ちょっと気になる子どもと子育て―子どものサインに気づいて』『いつからでもやりなおせる子育て―子どもといっしょに育ちを振り返る』『笑顔で向きあって-今日から始める安心子育て-』『子育てはいつもスタート―もっと親になるために』『いつからでもやりなおせる子育て第2章』(いずれも、かもがわ出版)『育ちの根っこ―子育て・療育・つながる支援』(全障研出版)『子どもを笑顔にする療育―発達・遊び・生活』(全障研出版)『連れ合いと相方―介護される側と介護する側』(共著=かもがわ出版)立命館大学産業社会学部 非常勤講師、京都市保育園連盟巡回保育相談員。