24歳のオーナーパティシエが営む「喫茶ねりね」(大阪・豊中)がエモい! 優しくて懐かしく、安心できるケーキを。
24歳のオーナーパティシエが営む「喫茶ねりね」(大阪・豊中)がエモい! 優しくて懐かしく、安心できるケーキを。
今回訪れたのは、大阪の北部あたりに位置する豊中市。2024年3月にオープンした「喫茶ねりね」というお店に行ってきました。静かな住宅街に隠れるように佇む庭付きのカフェを、24歳になったばかりの窪田優菜さんが一人で切り盛りしています。若きパティシエールが作る、優しくてあたたかなお店を紹介します。
まるでタイムスリップ? 築100年の邸宅を活かしたエモい喫茶
お店の場所があるのは国道176号、通称「イナロク」沿いの住宅街。立派な住宅が立ち並ぶ中、100年前の姿のまま残る日本家屋が今回の目的地です。初めて訪れる人は必ず「ここで合ってる? 」と思うに違いありません。立派な庭に囲まれた古い邸宅。築100年の風格に、思わず目を見張ります。門の前には「古着TAIAN」「喫茶ねりね」「鍼灸MARU」の3つの看板が並んでいます。実はここ、1つの敷地に3つのお店が入居する「白(つくも)商店」という名の複合施設なのです。門を開け、右側の石畳を進むと「喫茶ねりね」が見えてきます。かつては裏庭だったスペースだったところを改装したそうです。ちなみに母屋が古着店、母屋の2階の1室が鍼灸になっているとのこと。「喫茶ねりね」の門をこえたところに、キッチンがありました。明るく出迎えてくれたのは、想像以上に若くて小柄な女性。このお店のオーナーパティシエ・窪田優菜さんです。石砂利が敷かれた庭園に、大きな柳の木が見えます。手前がウッドテラスで、奥に見えるのが倉庫を改装した室内カフェ。もっと奥には古井戸もあり、田舎のおばあちゃんの家に来たようなエモさ溢れる空間が「喫茶ねりね」の飲食スペースです。手作りのケーキとコーヒーをいただきながら窪田さんに話を聞いていきます。
夢を応援してくれる人が周りにいた…。「喫茶ねりね」ができるまで
専門学校を卒業してから、兵庫県の武庫之荘にある個人経営のレストランで働いていた窪田さん。いつかは自分のお店を、と夢見て個人的にポップアップイベントやマルシェに出店していたそうです。ここ「白(つくも)商店」の2階でも、同じようにイベントが開催されることも。「この建物を知ったきっかけが、2階でのポップアップイベントなんです。友人に教えてもらって、参加してみることにしました。お客様の反応もすごく良かったし、私もこの建物を気に入って。それ以来3ヶ月に1回くらいのペースでイベントに参加していました」夏季期間のみ、古着店の2階への持ち込みが可能。イベント時などは利用できない場合があります母屋の2階にあるイベントスペース。古着店のオーナーが管理するスペースで、時折ワークショップやお茶会などが開かれているそう。「何度かイベントを一緒にさせてもらっている内に、この建物のオーナーさんと仲良くなりました。ある日『裏庭をカフェにしようと思うんだけど、やってみない? 』と声をかけてもらって…即決でした! 」元々独立志向だったものの、急に舞い込んできた話に戸惑いはなかったのでしょうか? 「もちろんスキルに自信なんてないし、お金ももっと貯めてから…と思っていました。でも、不安よりもワクワクの方が大きくて。自分がお店を持つならこんな場所がいい、と理想で描いていた通りの雰囲気なんです。そんな場所にこんなに早く巡り会えるなんて、ラッキーだと思って」こんなチャンスは二度とない! とにかくやってみよう! と走り出した窪田さん。話し方はすごくおっとりしていますが、まっすぐ夢を語る彼女に何か協力してあげられることはないか? と思わせるほどの芯の強さを感じます。倉庫を改装した室内カフェ就職したレストランのオーナーも、独立を目指す窪田さんに色々なことをチャレンジさせてくれていたのだとか。「高校生の時からアルバイトをしていたんですが、いざ就職活動が始まったら悩んでしまって…オーナーに相談したところ、『うちでパティシエしたらいいよ』と言ってくださって。それまでパティシエというポジションはなかったのですが、ケーキやデザートを、自分の思うままに作ってみたらいい、と大きく受け止めてくれたんです」教えてくれる人は誰もいなかったそうですが、アイデアを受け入れてくれる環境が窪田さんを成長させたのだとか。誰かの色に染まるより自分の考えで進める方が合っている、と感じたそうです。