ドラフト 阪神1位・伊原陵人、170センチの小さな大エースになる「一番の戦力になりたい」
プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(24日)大正製薬「リポビタンD」が特別協賛している「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が24日、東京都内のホテルで行われ、阪神は1位でNTT西日本・伊原陵人(たかと)投手(24)の交渉権を獲得した。170センチと小柄ながら最速149キロを投げ込む左腕は京都府内で会見し、即戦力としての活躍を誓った。 小さな体には大きな夢と秘めた闘志がある。憧れのプロの世界へ。伊原は慎重に言葉を選びながら力強く言い切った。 「まずは開幕1軍。とにかく1年間走り抜けるというのが一番の目標。先発でも中継ぎでも抑えでも、どこでもできるのが自分の持ち味。一番の戦力になりたい」 170センチと小柄ながらスピンの効いた最速149キロの直球とフォーク、スライダーが武器だ。「コントロールには自信がある。それにスピードが加わった。左も右も内を突けるも強み。自分は体は大きくないけど、上から投げ下ろすので、バッターの視点を変えられる」と力を込める。 奈良・智弁学園高3年時に選抜大会にエースとして出場。大商大時代は2年秋に関西六大学リーグの最優秀選手に輝いた。NTT西日本では2年目の今季、夏の都市対抗野球で8強入りに貢献。29日に開幕する日本選手権にも出場を決めた。その今季は「全身のウエートトレーニングをやり込み、キャッチボールから見直した」と直球に磨きをかけてきた。 そんなこだわりの直球には、阪神は最高の手本がいる。新たに就任した藤川球児監督だ。「現役の時からずっと見てきたが、すごいストレートを投げる。自分もストレートがカギ。ああいう球を投げられたらプロでも通用すると思う」と目を輝かせる。 高校時代から背中追いかけ続けている憧れの先輩もチームメートになる。奈良・智弁学園高で2年先輩にあたる村上頌樹だ。「レベルの差はあったけど、1年の時からキャッチボールをしていただき、すごい球を受けてきた」とボールを通じて投手としてスキルを鍛えられ「『マウンドは孤独』と教えていただいた。村上先輩も普段から一人で黙々と練習をされていて、自分も見習っている」と野球に取り組む姿勢も学んだ。 その憧れの先輩からは、この日「何でお前が1位やねん」と〝突っ込む〟ようなメッセージがLINEで送られてきたといい「素直にうれしかったです」と頰をほころばせる。