子どもには体験が重要、でも親が必死に「やらせる」のは逆効果 教育研究者に聞く、子どもの力を伸ばす“3つの心がまえ”とは?
子どもが自然体験やお手伝いなどの生活体験、親や先生以外とのつながりを持つ社会経験などを積み重ねることは、学力や非認知能力に良い影響を与えることがわかっています。それでは実際に子どもにどのような体験をさせるといいのでしょうか。また、子どもの体験をサポートする親が心がけたいこととは? 子どもの学力や非認知能力に詳しい、お茶の水女子大学教授の浜野隆さんに聞きました。 ※前編<体験が多いほうが子どもの「学力」や「自己肯定感」は上がる? 学力調査に詳しい専門家に聞く“研究結果”とは>から続く 【グラフ】体験の多さと非認知能力、世帯年収の関係は?(全3枚) ■キャンプやお手伝い、習い事…どんな体験をすればいい? ――子どもの学力や非認知能力を伸ばす、という観点で自然体験をするなら、どんな体験がいいのでしょうか? キャンプやハイキングはもちろんいいのですが、そんなに頻繁に行けるものではないですし、苦手と感じる親御さんもいらっしゃるかもしれません。でも、そこまで大がかりでなくても、公園で遊ぶ程度の外遊びで大丈夫です。家の外に出て「自然に触れる」ことがポイント。昆虫採集や動植物の観察、空や星の観察など、自然のなかでは知らなかったことや見たことのないものに出合う確率が高いので、子どもの好奇心や探究心が育まれます。同じ場所であっても行く季節や時間帯によって出合えるものが変化しますからね。 また予想外のことが起きたとき、その場でどう対応すればいいかを考えるよい機会にもなりますね。最近は子どもが外で遊ぶ時間が長いと近視の発症率が低いと言われています。 ――日常生活のなかで非認知能力を高められる体験はあるのでしょうか? 日常生活での体験には、「もっと上手に、効率的にできないか」と考える場面が多いので、工夫したり違った視点で考えたりする力を育てます。例えば料理や掃除、洗濯の手伝いなどはおすすめ。家族の一員として働くことで「役に立てた」という自己有用感や、言われたことができたときの達成感は「次はもっと上手にやってみよう」という意欲や向上心につながりますよ。