子どもには体験が重要、でも親が必死に「やらせる」のは逆効果 教育研究者に聞く、子どもの力を伸ばす“3つの心がまえ”とは?
話しながら子どもは気持ちを切り替えてやる気になったり、「ここは我慢しよう」などと忍耐することを覚えたりします。 ――いざ自然体験や習い事などを体験しても、親が期待するほどの反応が得られない場合があります。 子どもが自分からやりたいと言った体験でも「やってみたら、おもしろくなかった」ということもあります。そのときに親は「あなたがやりたいって言ったじゃない!」などと責めずに、その体験から距離を置くのも大事なことです。 近年、学校教育の現場でも「個別最適」が求められるようになっていますが、子育てでも「子どもの個性に合わせた子育て」が必要だと思います。生まれ持った特性を変えようとするのではなく、その特性を理解して「うちの子は〇〇に向くのでは」と探っていくことも大切です。例えば親子ともに外向的なら、スポーツなどアクティブな体験はとてもいいのですが、子どもが内向的な場合は、「なじめない」と感じることもあります。親子、きょうだいでも外向性、内向性といった性格は違う場合もあるので、特性に合わせた体験を考えることも大切です。 (取材・文/船木麻里) ※前編<体験が多いほうが子どもの「学力」や「自己肯定感」は上がる? 学力調査に詳しい専門家に聞く“研究結果”とは>から続く 〇浜野 隆/お茶の水女子大学基幹研究院教授。専門は教育社会学・教育開発論。文部科学省委託の「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」の研究代表として家庭環境と学力・非認知的能力の関係を分析。『子どもの才能を伸ばす 最高の子育て』(ソシム)など著書多数。
船木麻里