“世界初”脳波信号とAIで絵を描く、東大がシステム開発
東京大学の山城皓太郎大学院生と池谷裕二教授らは、ネズミの脳に電極を装着し、脳波信号と生成人工知能(AI)を基に絵を描くシステムを開発した。画像生成AIに入力するノイズの代わりに脳波信号を入力する。脳活動とAIを融合した描画システムは世界初で、芸術や創作手法の新しいジャンルを拓くとしている。 画像生成に用いられる拡散モデルにネズミの脳波信号を入力した。拡散モデルはノイズ画像と指示文を入力すると関連する画像が生成される。今回は指示文を入力せず、ノイズ画像の代わりに脳波信号を入力した。 脳波はネズミの脳に32チャンネルの電極を配置して計測した。波形を重複させつつ連続的に入力するため、絵は徐々に変わっていく。システムでは風景画や人物画などの洋画が次々に生成された。 研究は東大の倫理委員会の承認を得て実施した。実験中、ネズミに痛みや不快感などの兆候は見られなかった。新手法は神経活動だけでなく心拍や風、波などの時系列データに応用できる。新しい芸術ジャンルになるとしている。