信頼できるかかりつけ医はいますか?「かかりつけ医=長年通っている病院」ではない。しっかり話し合うことで、良好な関係を築いて
人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。 * * * * * * * ◆信頼できるかかりつけ医がいますか 健康管理に大切なのが、かかりつけ医を持つことですが、多くの人は「かかりつけ医よりも大病院へ行ったほうが安心」と考えるようです。 しかし、大病院には名医がいるから安心という考え方は正しいとはいえません。どんな名医でも、一度診察しただけで患者さんの体調や病状を判断できるとは限らないからです。 人の体は、それこそ十人十色で、たとえ同じ病気でも異なった症状が出るケースは珍しくありません。そんなとき、かかりつけ医なら「**さんはこういうときにこういう症状が出る」というデータを持っていますから、的確な診断を下すことができます。 また、患者さんの健康に関する情報はカルテに蓄積されているため、わずかな体調の変化にも気づいてくれるでしょう。
◆長い間受診しているから良いとは限らない ただし、「かかりつけ医=長年通っている病院」という意味ではありません。なぜなら、単に長い間受診していることと、医師とよい信頼関係が築けているかは別の話だからです。 医師や病院と良好な関係を築くためのコツは、わからないことがあったら遠慮せずに質問して、病状の経過や治療方法についてもしっかり話し合うことでしょう。 「質問すると先生に嫌われそうだから」 「待っている他の患者さんに悪いから」 こんな理由で質問を遠慮するシニアも少なくありませんが、どんなに忙しくても、医師には患者さんの質問に答える義務があります。 万が一、質問したドクターに嫌そうな顔をされたら、「信頼できるかかりつけ医」を他に探してみましょう。
保坂隆