不眠の悩みが増える時期。補気食材「きのこ」をぜひ取り入れて〔久保奈穂実さんのおいしい漢方レシピ〕
【連載】久保奈穂実の「おいしい漢方レシピ」
古くから癒しや回復の薬としても親しまれてきた、スープやドリンク。薬膳的効能から選んだ食材で作る一杯で、毎日の生活に養生の知恵を取り入れてみませんか。国際中医薬膳管理師・漢方アドバイザーの久保奈穂実さんが、忙しくても、疲れていても、身近な食材でササっとできる、簡単でおいしくてヘルシーな漢方レシピをお届けします。
〔9月の漢方レシピ〕 残暑疲れの不眠に、きのこの卵スープ
残暑による不眠のお悩みが増える時期。ぐっすり長く眠るには、まず“寝るためのエネルギー”を補う必要があります。とはいえ、食べ過ぎると消化にエネルギーを要し、さらに眠れなくなるという負のループに陥るので要注意です。 そんなときは、元気を補う「補気」食材のきのこを取り入れてみてください。低カロリーで栄養価は高く、味噌汁やスープに入れるだけで旨みがアップ。冷凍ストックもできる上、合わない体質があまりないのも嬉しい、便利な食材です。
卵ときのこのトロトロスープ
しいたけはきのこの中でも補気力が最強。卵は気血を補う効果があり、胃腸に優しい食材。きのこのだしが疲れた体に染み渡り、卵の安神(あんじん)効果で疲れた心がじんわり解きほぐされ、眠りの質が向上します。 ●材料と作り方 1)鍋に湯を沸かし、薄切りにしたしいたけとしめじを入れて煮る。 2)鶏がらスープと醤油で味を調え、片栗粉でとろみを付ける。 3)溶き卵を箸に伝わせて優しく流し入れる。
久保奈穂実(くぼ・なおみ)
国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。ハードな生活で身体のバランスを崩した際に漢方薬に助けられた自身の経験から興味を持ち、中医学と薬膳を学ぶ。現在、成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行っている。著書に『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』(ともに世界文化社刊)。SNSで発信するやさしい養生知識や、簡単薬膳レシピも大好評。X:@naominkubo /Instagram:@naomin_yakuzen
※この記事は、久保奈穂実『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』を再構成しています。