【MotoGP】「紳士でいるのはやめろ」ドゥカティ幹部、王座争い劣勢バニャイヤにかけた厳しい言葉明らかに
ドゥカティは2024年シーズンにフランチェスコ・バニャイヤとMotoGPライダーズタイトル3連覇を目指したが、サテライトチームであるプラマックのホルヘ・マルティンに敗北してしまった。その舞台裏では、チームマネージャーがバニャイヤにキツめの発破をかけるシーンがあった。 MotoGP2024 第18戦タイGPハイライト 2024年のMotoGPタイトル争いは、バニャイヤが劣勢でマルティンを追いかけるシーンが多かったが、バニャイヤはマルティンに対する敬意を示し続け、コース上で“殴り合う”こともなければ、コース外での場外戦に発展することもなかった。 まさにスポーツマンシップに則った潔いレーサーとしての姿を見せていたバニャイヤだが、チーム内では必ずしもそれがベストとチームが考えていたわけではなかったかもしれない。 先日、ドゥカティがYoutube公式で公開したドキュメンタリー映像の中に、チームマネージャーのダビデ・タルドッツィがバニャイヤに「紳士であることをやめる」ように語りかけているシーンがあったのだ。 タルドッツィがそう語っていたのは、タイGPのスプリントレース後だ。 このレースは3番グリッドスタートのマルティンが、ポールスタートのバニャイヤに対してターン1でのブレーキング勝負に横並びで飛び込み、結果的にふたりともポジションを下げた。そしてその後は、マルティンの果敢なオーバーテイクにバニャイヤが敗れたというレースだった。 「ペッコ(バニャイヤの愛称)、マルティンには度胸があった。彼は君を殴り倒す度胸があったんだ」 タルドッツィはそう語っていた。 「彼はグリッドについたときから、そういったポジションをとっていたんだ。君を困らせると決めていて、そしてやるべきことをやったんだ」 「それこそが、君が明日(決勝で)やらなくちゃいけないことだ。常に紳士でいるなんてことはできるものじゃない。相手は君のケツを蹴っ飛ばしてきてるんだぞ。できっこない」 「彼は最初のコーナーで君を狙ってきた。君に向かって走ることを決めていたんだ。それは間違いないことだ」 「だから紳士でいるのはやめる必要がある。でないと相手はみんな、君のことを引き裂こうとしてくるんだぞ」 なおその後タイGPの決勝レースでバニャイヤは、マルティンのコースオフによって労せずトップをものにして勝利。この時点でチャンピオンシップ争いはマルティンに17ポイント差にまで接近したが、次戦マレーシアGPのスプリントで転倒。バニャイヤはピンチに追い込まれ、それが大きな要因となり3連覇を逃す結果となった。
Rachit Thukral