今季女子ツアーで頭角を現わした桑木志帆と佐久間朱莉 永久シードプロが分析するそれぞれの強み
2022シーズンからツアー本格参戦を果たして、同年のメルセデスランキングが33位、翌2023シーズンが25位でシード権を獲得。今年も上位争いに何度も加わっていますが、なかなか勝てず、いまだツアー未勝利。4月の富士フイルム・スタジオアリス女子では、阿部未悠さんに1打差で敗れました。 その際、勝った阿部さんも、負けた佐久間さんも涙に暮れていましたけど、佐久間さん自身は「また2位か......」という受け止め方だったと思うんですよ。もちろん、結果がすべての世界だから、優勝することが最大目標であり、それを実現できれば、自身の、さらには周囲の喜びにもつながるのですが、2位を続けることって、それはそれですごいこと。「どのゴルフ場でも通用するオールラウンダーとも言えるんじゃない」と彼女にも言ったことがあります。 私も41勝したとき、父に「おまえは2位が42回、3位も43回以上はある」って教えられました。そういう積み重ねが41勝につながったのかなと、そのときに思いました。優勝するにはめぐり合わせもありますから、佐久間さんも近いうちに勝てると思っています。実際、彼女はパットもうまいし、下手なものがないですから。 今年も竹田麗央さんのようなスケールの大きな子が出てきて、女子ツアーの世代交代の速度はどんどん速くなっていますけど、佐久間さんも優勝したい気持ちは強くなっているはず。そのためにも、自分のゴルフを積み重ねていくことが大切だと思います。
古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki