「余命1年」治療第2弾がん免疫療法のリアルな効果 副作用は軽く、旅行に行けるほど体調良好だったが
■体調に異変なく北海道旅行に 3日、予定通り北海道旅行に出発。羽田までリムジンバスで行き、ゆっくりと午後の便で新千歳へ。レンタカーを借りて空港から1時間ほどのところにある小さな町に着いた。 スーパーで食材を購入して、滞在先の別荘へ。掃除を済ませ、食事、そして温泉タイム。これで一気に疲れが吹き飛んだ。2階の窓を少し開けて就寝。エゾガエルの合唱がすごい。 いつもはこの町を拠点に車で牧場、湖、海といった観光スポットなどを周遊するのだが、今回はじっくり滞在して”温泉・自然療法”に徹した。1日だけ、近くを流れる川の上流まで足を延ばして渓流釣りを楽しみ、ヤマメと戯れた。
夜はおいしい海産物や酪農製品が待っていた。充実の1週間はあっという間に過ぎ、猛暑の東京へ再び戻ってきた。快適な日々だった。がんであることをすっかり忘れさせてくれた大自然の力に感謝したい。 まだまだ暑い日が続いていたが、暦はすっかり秋になっていた。9月30日、病院で血液検査とCT撮影を行った。結果は、残念なものだった。前回(7月)よりも肺の腫瘍が、わずかではあるが大きくなっていたのだ。期待して臨んだ「がん免疫療法」だったが、効果は見られなかった。
医師にも尋ねたが、なぜ効かなかったのはよくわからない。個人差や症状によるのだろう。ここが医学、医療の難しいところである。過ぎ去った夏の日々を思い返しても、体調は良く、いろんなところに出かけ、何事もなく過ごせてきた。それだけに今回の結果は意外、想定外だった。 ホップ、ステップ、ジャンプで腫瘍の大幅な縮小を目指そうと思っていただけに、ブレーキがかかってしまい悔しい。また最初からやり直しだ。 医師と相談のうえ、10月からは第3弾の抗がん剤治療に進むことにした。パドセブという抗体と薬物(微小管阻害薬)がリンカーという部分でつながった「抗体薬物複合体(ADC)」と呼ばれる新しいタイプの治療薬で、2021年9月に「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」に対する新たな治療として保険適用となった。いよいよ“最終兵器”の登場である。