虎の“怪物新人”佐藤輝明は「打たされている」のか…OP戦の本塁打記録はシーズンの結果に直結しないというデータ
巨人の炭谷はインサイドに構えていたが、左腕の高橋優が投じたストレートは、真ん中へ入り、左翼ポールを巻く形で弾き返された。おそらく、そこまで厳しくインサイドを突こうという意識はバッテリーにはなかった。7回にも左腕の戸根は、初球にど真ん中のストレート。続くスライダーが甘く浮いてライト前にヒットを打たれたが、これもバッテリーは、変化球への反応を確認しているようにも見えた。 高代氏が続ける。 「佐藤は、どのボールに対しても後ろ重心で、そう体重移動はせずに近いポイントでフルスイングをしますからストレートは逆方向に飛び、変化球は引っ張る形になります。おそらく球種やコースは絞らずにストレート待ちの変化球対応という待ち方をしているんでしょう。バッテリーにとって一番厄介な打者。その基本スタイルで、あれだけ打てるのは彼がタダモノではない部分ですね。リーチがあるので変化球にも対応ができます。問題は、あのアッパースイングでインサイドのストレートを引っ張れるかどうか。そして膝元から下に落ちる変化球。外へ逃げる変化球への対応でしょう。去年ファームで対戦したときの佐藤もホームベースに落ちるような変化球に手を出し打ち取られていました。各球団ともに本番では、その配球を徹底してきますよ。そういう意味でオープン戦の結果を鵜呑みにはできません。ただデータ通りの攻めをしっかりとできるピッチャーとできないピッチャーがいます。オープン戦同様に確実に攻略していければ20本は打つでしょう」 今日16日のヤクルト戦(神宮)を含めてオープン戦は残り5試合。矢野監督が開幕スタメンを約束した佐藤は、どこまで記録を伸ばして3月26日のヤクルト戦を迎えることになるのだろうか。