南海トラフ地震で想定津波高34m! "日本一危険な町"から激変した高知県黒潮町の現在
8月8日、宮崎県日向灘で発生した地震に伴って、南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が発表された。かつて、南海トラフ地震発生の際は高さ34mの津波が来ると発表された高知県黒潮町は今回の発表を受けてどのような空気が流れたのか? また、日頃からどんな対策をしているのか? 現地に赴いて話を聞いてみた! 【写真】街中に設置された津波救命艇(シェルター) * * * ■12年前に聞いた怒りや諦め 今年8月8日、宮崎県日向灘で発生した地震に伴い、気象庁は南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を発表した。 南海トラフ地震というと思い出されるのが高知県黒潮町。東日本大震災を受け、2012年3月31日、内閣府の中央防災会議が南海トラフ地震での新たな津波想定高を発表した。その中で、日本で最も高い34.4m、それも地震発生から2分でやって来る"日本一危険な町"とされたのがこの黒潮町だった。 週プレは12年前の発表直後に黒潮町で取材を敢行。当時、町内の60代女性はこう語っていた。 「このことが新聞に載ってからは、みんな『もう終わりや』言うてます。家の周りを見渡してもどこにも高い建物なんかあらへんのに、逃げるとこなんかないわ」 海辺で飲食店を経営する60代の女性は怒りを込めてこう語っていた。 「『またうちに遊びに来て』なんて絶対言えなくなった。もう黒潮町は津波の怖い町で全国的に有名になってしまった。もう誰も遊びに来てくれんわ」 など、当時の町民からは、怒りと諦めの混ざった正直な気持ちが返ってきた。 ■12年間で変わっていった町の意識 そんな町ゆえ、8月の「巨大地震注意」で不安な町民から問い合わせが殺到しているのでは?と気になり町役場に尋ねてみると。 「避難するのに支援が必要な約200人の方にはこちらから避難方法をどうするかなど何度も連絡を入れさせていただいていますが、一般町民から今回の南海トラフ地震臨時情報に関する問い合わせの電話はないですね。0件です」(黒潮町情報防災課) え......。意外。町は静かなままなんですか?