「早くしろよ、ジジイ」とどやされても時給1,380円でコンビニバイトを続ける〈最高年収1,500万円〉62歳の元勝ち組サラリーマンの切実事情
再雇用から半年で仕事を辞めた「まさかの理由」
定年から2年が経った内藤さん。サラリーマンとしてのセカンドキャリアはいかがなものか、聞いていくと、実は再雇用から半年ほどで会社を去っていたことがわかりました。なぜ? ――いや、やる気がでなくて、会社に行くのがツラくなって…… 現役時代にはなかったモチベーションの低下。仕事内容が大きく変わったり、給与が大きく減ったりしたことが原因かと思いましたが、実は違うところにありました。会社退職後も症状が改善されないことから、病院に駆け込んだという内藤さん。そこで意外な診断がくだされます。それは「更年期障害」。 ――男性の更年期障害は聞いたことはありましたが、まさか60歳でなるとは…… 厚生労働省『更年期症状・障害に関する意識調査』によると、60~64歳男性のうち、「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある/診断されている」が2.0%。「医療機関を受診はしたことがないが、更年期障害を疑ったことがある/疑っている」が9.4%、「自分では気づかなかったが、周囲から更年期障害ではないか、といわれたことがある」が4.2%でした。60代前半の6人に1人が更年期障害が疑われるのです。 しかし、定年で会社を去らず、月収90万円から月収30万円でも再雇用を選んだのは、老後に対してまだ不安があるから。現役時代、住宅ローンの返済、教育費、親の介護と立て続けに出費が続き、定年で仕事を辞められるほどの余裕はなかったといいます。しかし会社を辞め、収入が途絶えたことで不安感が膨れ上がり、さらに更年期障害の影響が拍車をかけました。 とはいえ、いまから元の会社に戻るのは気が乗らなかったといいます。そこで始めたのがコンビニバイト。時給1,380円、9時~17時の1日8時間で週5日。月収は20万円弱と、再雇用後の給与からさらに収入は下がりました。しかし、さらに気楽な立場になったことと、収入があるという状況がよかったのでしょうか、更年期障害からくる不安感やイライラは最近は収まっているといいます。 なぜコンビニなのかと問うと、今から40年ほど前、コンビニでバイトをしていたことがあったから。「懐かしい」と思い応募したのだとか。ただこの40年でコンビニ業務は大きく変わり、やること、覚えることがいっぱい。 ――よくレジを待たせてしまって、「早くしろよ、ジジイ」なんてどやされることも。それでも今は、以前よりもさらにお気楽な立場。これであれば働き続けることができるという自信があるのです [参考資料] 厚生労働省『更年期症状・障害に関する意識調査』
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