亀田興毅、極秘移籍交渉に失敗
「亀田側が何か悪いことをしたわけでもないが、普段から後楽園ホールへ足を運ぶなど他ジムとの付き合いなどをうまくしてこなかったために、誤解されることが多く、リスクばかりが先に立った。アンチも多いが、今のボクシング界にあれだけの知名度とキャラクターを持ったボクサーはいない。なんとか復帰させてあげたかったのだが……」とは関係者の話。 もし角海老宝石への移籍交渉が、水面下でまとまれば亀田興毅は、UNITEDへの移籍申請を取り下げる方向だったという。 JBCのヒアリングもスタートしていない段階で亀田側が新しい移籍先を探して国内復帰を急いだ理由のひとつには、WBA世界Sフライ級王者、河野公平(ワタナベ)と亀田興毅の指名試合が、「10月上旬・両国国技館」という日程で進んでいたという裏事情がある。 WBAから降りてきている、この試合の実現は、亀田側からの強いアクションではなく、放映局が主導で進められていたようだが、亀田興毅の国内移籍問題が解消しなければ実現不可能な試合。時間的に、これ以上引っ張れば会場のキャンセル料などの問題も発生してくるため、亀田側も、やむをえずJBCの正式裁定を待たずに“次の移籍先”探しに動いた模様だ。だが、移籍先の大本命だった角海老宝石との話が潰れたことで、4階級制覇を狙う河野との世界タイトル戦を10月に国内で実現することは、ほぼ絶望的な見通しとなった。
今回の角海老宝石との移籍交渉は、極秘で行われていたもので、表向きにはJBCのUNITED移籍に関する承認の是非を待っている状況。ただ、亀田側が角海老と極秘交渉していたことは、すでに承認されないことを亀田側も認めているのと同然で、却下の結論を待つまでもなく、再びJBCのガイドラインに合致した新しい移籍先を探さねばならない。ただ、業界に太い人脈のあった大竹重幸氏が、方向性の違いで、すでに亀田陣営から離れているため、新ジム探しは、さらに困難な状況となっている。WBO世界バンタム級王者、亀田和毅がラスベガスで衝撃的なKO勝利を飾るなど亀田陣営には明るいニュースもあったが、和毅の海外路線とは別に、国内での再起を考えている亀田興毅、大毅のリング復帰の方は出口の見えない窮地に追い込まれた。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)