亀田興毅、極秘移籍交渉に失敗
国内でのボクシング活動が停止中の元世界3階級王者の亀田興毅(27)は26日までに角海老宝石ジム(鈴木真吾会長・豊島区)と極秘の移籍交渉を行っていたが、角海老宝石ジム内部で反対意見が噴出し移籍話は、ご破算となった。 昨年12月に行われた亀田大毅のIBF、WBA世界Sフライ級において混乱を招いたとして、各種ライセンスの更新を認められず、国内でのボクシング活動ができなくなった亀田ジムは、当初、元協栄ジムのベテラントレーナーである大竹重幸氏を新会長に立てて東日本ボクシング協会に新ジムの開設を申請したが、理事会で全会一致で却下され、早期復帰するためには、選手の他ジムへの移籍しか道筋がなくなっていた。 亀田興毅は今月4日にUNITED BOXING GYM(三好渥義会長、江戸川区・南葛西)への移籍を電撃発表してJBC(日本ボクシングコミッション)に移籍届を提出。JBCは、さっそく資格審査委員会を開いて移籍を承認するかどうかを審議したが、結論は保留され、UNITEDの三好渥義会長、及び亀田興毅から事情を聞いた上で再審議するとしていた。現在、ヒアリングは実施されておらず、正式な結論は出されていないが、UNITEDは、JBCが、亀田3兄弟の移籍に関して定めていた「世界戦開催の実績などがあって信頼、信用のあるジムであること」というガイドラインに合致しないため、移籍申請が却下される可能性が極めて高かった。 そのあたりの事情を察知した亀田側は、水面下で新たな移籍先を探していたが、ボクシング関係者の働きなどもあって移籍先のガイドラインに合致している角海老宝石ジムが浮上。同ジムは、「ボクシング界のためにも、なんとか救済できないだろうか」と受け入れの検討を始め、亀田側も角海老宝石への移籍を熱望した。この日までに、極秘で両ジムの責任者が直接会って交渉の場を持ってきた。 角海老宝石ジムは、1977年に創立、現在も、日本ヘビー級王者の藤本京太郎ら東洋太平洋王者、日本王者を多く持つ名門。過去にはWBC世界フライ級王者の小林光二、WBA世界ライト級王者、小堀佑介らの世界王者も輩出していて、世界は取れなかったが、元2階級王者、畑山隆則と名勝負を演じた坂本博之らの人気ボクサーも在籍していた。角海老宝石ジムならば、JBCが移籍を承認するのは間違いなく、角海老宝石サイドも、亀田側に移籍条件として1角海老宝石ジムでの恒常的な練習2マッチメークは角海老宝石ジムが決める3ジムの興行時には後楽園ホールへ応援来場すること、などを伝え、亀田側も了承していたようだが、結局、角海老宝石ジム内部から、亀田移籍による影響力の大きさを考慮した反対意見が強く出て、その内部調整がつかず、今回の移籍交渉は白紙に戻った。