愛子さま22歳の旅立ち。誕生から紺色の袴姿での学習院大学卒業まで。皇室ジャーナリストが写真と共に振り返る
2024年3月20日、学習院大学をご卒業された愛子さまは、内親王殿下としては珍しい袴姿で式に臨まれた。進学や留学など研究の道へ進まれると予想する声もあったが、4月1日から日本赤十字社の嘱託職員として勤務されている。成長に寄り添ってこられた天皇皇后両陛下、そして愛子さまのお気持ちとは。写真とともに、皇室取材を重ねてきたジャーナリストが振り返る 【写真】3年間オンライン授業だった大学に登校する愛子さま * * * * * * * ◆春風とともに「就職」の道へ 天皇皇后両陛下の長女・敬宮(としのみや)愛子内親王殿下は社会人としての一歩を踏み出された。日本赤十字社の嘱託職員として〈日頃から関心を寄せている日赤の仕事に携われることをうれしく思う〉(愛子さまの就職内定を受けてのお気持ち)というご希望を抱かれて、ご自身で選択した道だった。 23年秋頃から日赤という具体的な就職先を心に決められたところ、両陛下も「とてもいい考えではないか」と背中を押されたというが、愛子さまの「福祉」に対する思いは幼い頃から自然と育まれたものだった。 学習院大学日本語日本文学科の授業でも「福祉」を履修なさり、この就職に仕事としても皇族のご活動としても活かせる接点を見出されたのだろう。 3月20日に迎えられた大学の卒業式で、愛子さまは生きいきとしたご表情だった。桜色の花模様の本振り袖と紺色の袴姿。内親王殿下が袴をお召しになるのは珍しく、紀宮内親王(黒田清子さん)や秋篠宮眞子内親王(小室眞子さん)、佳子内親王も、大学を卒業なさった時は洋装だった。 意外な装いに記者団も驚きを隠せなかったが、袴姿はお友だちと合わせたいという愛子さまのご希望で、髪飾りは桜を模った、春らしいものだった。
記者団から大学での日々を問われると、「最初の3年間はオンライン授業で、最後の1年はこのキャンパスに通い、たくさんの新しい学びを得て、充実した4年間を過ごすことができました。素晴らしい先生方や友人たちと出会えたことも嬉しく、またありがたく思っております」と笑顔でこたえられた。 この日は春風が強く吹いていて、愛子さまの振り袖を時折揺らした。 「実はこの本振り袖は、雅子さまとご一緒に愛子さまが選ばれたそうなんです。菊や梅、桜などがあしらわれた伝統的な花模様で、お二人は派手なものよりレトロな雰囲気を好まれたのでしょう。雅子さまは、成人を迎えられた1983年にはハーバード大学在学中でした。ご両親もモスクワにいらっしゃったため成人式に着物姿で記念撮影をした思い出はないと言われ、卒業式も洋装で大学の角帽にマントを羽織るお姿だったことから、愛子さまには着物を着てほしい思いがあったのではないでしょうか」(小和田家を知る人物) 愛子さまが袴をお召しになったのは、17年ぶり。4歳の時に一般の七五三にあたる「着袴(ちゃっこ)の儀」で、当時の天皇皇后両陛下から贈られたものだった。 幼稚園に入園されてからも着物の柄にご関心が高く、絵本などに出てくる人物の衣服に興味を示された。大好きだった相撲観戦では行司の軍配や印籠、脇差などの装束の名称や由来を、皇太子(当時)からお聞きになったといわれる。 また、昔話を通じて、「せっしゃ」「わらわ」といった古来のことばを遊びのなかで使われていたという。