韓国文学が描く戦争・分断・民主化…激動の現代史を知る 書店員オススメの5冊
未来散歩練習
手を触れることができるものとしての未来 未来という言葉を見たり聞いたりする機会は多い。それは、日々の会話や、街で見かける広告の中などに登場し、ときに耐えられないほど表面的だったり、陳腐だったりする。にもかかわらず、未来という言葉が消えてなくなることはない。私たちは未来なしには今を生きられないからだ。 物語の中で、「私」は釜山の街を歩きながら、1982年に起きた釜山アメリカ文化院放火事件に関わる人々について考え、彼らが思い描いた未来を再想像する。「彼ら」が練習した未来を「反復する」のだ。そのとき、1982年という過去は、未来を想像するための現在になり、「私」が散歩する現在は、過去を想像するための未来になる。 この本をひらき、ページをめくっていくうちに、未来は、私たちからかけ離れたものとしてでも、使い古された陳腐なものとしてでもなく、今ここにあるもの、真に望むもの、手を触れることができるものとして目のまえにあらわれてくるだろう。(Zero O'Clock・森川真実)
インフォメーション
K-BOOKフェスティバル2024 in Japan 開催⽇時:2024年11⽉23⽇(土)/11月24⽇(⽇) 会場:出版クラブビル(東京都千代田区神田神保町1-32) 共催:⼀般社団法⼈ K-BOOK振興会、韓国国際交流財団 主管:K-BOOKフェスティバル実⾏委員会 後援: (一財)⽇本児童教育振興財団、韓国⽂学翻訳院、アモーレパシフィック財団、李熙健韓日交流財団、(公財)一ツ橋綜合財団、(一財)SUN教育支援機構、永田金司税理士事務所、株式会社クオン Twitter https://twitter.com/kbookfes Instagram https://www.instagram.com/kbookfes/ Facebook https://www.facebook.com/kbookfes/ YouTube https://www.youtube.com/channel/UCVbSnfWUwslUUOckeHTeJrw
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