〈食べログ3.5以下のうまい店〉一粒一粒がパラパラ! 上海名門ホテル出身シェフの「黒チャーハン」
山本さん「石神井公園に用事があったついでに、どこかいいお店がないか探していて、入ってみました。」
一緒にお店を切り盛りするのは、夏良シェフの従兄妹にあたる白慧(しらえ)和子さん。同じく上海出身で1994年に来日し、現在「中華料理好又香」ではサービスやマネージメントを担当している。
山本さん「正直、内装や雰囲気はとてもカジュアルなのですが、上質な味とのギャップが魅力的だなと思います。」
町中華とあなどるなかれ! 特製ネギ油が匂い立つ「インゲン炒め」「上海風蟹玉」
山本さん「カジュアルな雰囲気ながら、上質な現地のテイストの料理が楽しめます。」
上海料理に限らず、北京料理や四川料理など中国各地の料理を取りそろえる「中華料理好又香」。幅広い料理のラインアップに共通するのは、店名にある「香りが良くておいしくて、又食べに来たくなる料理」であることだろう。インゲンが入荷できたときだけ提供される「インゲン炒め」も、香り高さを感じられる一品だ。主役はインゲンという日本ではなかなか見ない炒め物だが、上海では一般的な料理だという。
筋をとったインゲンを油通しすることでやわらかくして臭みを取り、油を濾過してから豚のひき肉、刻んだショウガと少々のニンニク、自家製の醤油で味付けして、仕上げに刻んだ小口ネギとごま油を加え香りを立たせる。ショウガやごま油の香りをまとった肉味噌の味わいが口の中で花開き、ホクホクとした自然な甘さも感じられつつ、シャキシャキとしたフレッシュな食感のインゲンの良さをしっかりと引き出す。経験に裏打ちされたシェフの火入れの妙が光る。
山本さん「炒めものも味が凝縮されていて、とてもおいしかったです。」
「上海風蟹玉」もシェフが香り高さに胸を張る人気メニューだ。味の決め手はシェフ特製のネギ油。卵とズワイガニの身に塩少々と鶏ガラ、ネギを入れて混ぜ合わせ、特製ネギ油を使い中華鍋でサッと火入れを行う。艶やかな輝きの蟹玉をスプーンですくい口に含むとプルプル、フワフワと幸せな食感とともに、大ぶりのズワイガニの身のうまみやネギ油の上品な香りが広がる。