〈食べログ3.5以下のうまい店〉一粒一粒がパラパラ! 上海名門ホテル出身シェフの「黒チャーハン」
山本さん「おそらく推しメニューだと思うのですが、蟹玉も完成度がとても高かった。」
この蟹玉をさらにおいしくしてくれるのが、黒酢ベースの甘い「よだれ鶏」のタレだ。塩味ベースだった蟹玉に酸味と甘さが加わり、蟹玉本来のうまみが際立つ。
一般的に上海の焼き餃子の具は肉のみというが、夏シェフは日本人の好みに合わせ野菜をたっぷり配合したオリジナル餃子を作り上げた。餃子の皮は強力粉や小麦粉、水の配合から生地のこね具合や延ばし具合まで細かにオーダーした特注品で、モチモチとした食感が特徴だ。餃子の具は、豚の正肉と脂を7:3の割合で合わせてひき肉にして手作業で刻んだキャベツとニラを合わせ、オイスターソース、醤油、ごま油、自家製調味料と自家製ネギ油、刻んだショウガ少々と自家製のだしスープ・高湯(かおたん)で味付けする。手包みした餃子は油を引かずに鉄板に並べ、水をかけて蓋をして7分強火で蒸し焼きにして、その後蓋を外し、水を捨てて、自家製ネギ油をかけて2分火入れしたら完成だ。
高湯も入ったジューシーな焼き餃子のため、最初に端を小さくかじり、そこから小籠包のようにスープをすすっていただこう。肉汁だけでなく、野菜の滋味も溶け出たスープがじんわりと口の中に広がる。その後、何も付けずに餃子を頬張る。すると、シャキシャキとしたたっぷりのキャベツとニラ、豚ひき肉のうまみが端正なバランスで混ざり合う。焼き餃子に求める食べ応えやパンチがありつつも、食後感がジャンクではないのは名門ホテル出身シェフゆえだろうか。
山本さん「普通にラー油酢醤油で食べてもおいしいのですが、酢こしょうとの相性も良さそうで、まだそれはやったことがないので今度やってみようと思います。」
山本さんはラー油や酢醤油につけて食べるのがお好みということだが、先述した「よだれ鶏」のタレを餃子にかけて味変するのもおすすめだ。