ISSへの新型補給船「HTV―X」1号機を公開…来年度にH3で打ち上げ予定
三菱電機は10日、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ新型無人補給船「HTV―X」1号機の機体を公開した。来年度に新型主力ロケット「H3」で打ち上げられ、ISSへの初接続を目指す。 【図】日本人宇宙飛行士の月面着陸のイメージ
HTV―Xは、ISSに滞在する宇宙飛行士の食品や衣類などの物資を運ぶ。2020年まで運用された「HTV(愛称・こうのとり)」の後継機として、三菱電機と三菱重工業、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同開発している。
同日、神奈川県内の同社製作所で報道陣に公開されたのは、ISSとの交信を行うアンテナや推進器などを搭載した「サービスモジュール」と呼ばれる部分。今後、貨物を載せる部分と組み合わせ、来年度に鹿児島県の種子島宇宙センターからH3で打ち上げられる。
完成した機体(全長約8メートル、直径約4・4メートル)はHTVよりも軽量化され、搭載可能な物資の重量が1・5倍に増える。輸送中も電気の供給が必要な冷凍庫なども搭載可能で、低温管理が必要な実験用の細胞など、HTVでは運べなかった物資もISSに届けられる。
日本も参加する米国主導の有人月探査「アルテミス計画」では、月面着陸する飛行士が滞在する有人基地「ゲートウェイ」が月上空に建設される予定だ。HTV―Xによる同基地への物資輸送も検討されており、JAXAの伊藤徳政プロジェクトマネージャは「ミッションを確実に成功させて期待に応えたい」と話した。